ユニクロUJの恐るべき破壊力《それゆけ!カナモリさん》

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■ユニクロはジーンズ市場を制するか

 UJのインパクトはそのポリシーにある。

 “UJ”は、3つの「F」を追求する 本当に良いジーンズに欠くことのできない「FIT」、「FABRIC」、「FINISH」、という3つの「F」を追求しつつ、歴史や伝統に縛られない新しいジーンズを創造していきます。FIT:あらゆる人が自分にとって最高の一本を選べる豊かなフィットバリエーション FABRIC: 厳選された生地と糸が生み出す、世界中のジーンズ好きが驚くほどの素材 FINISH:日本生まれの高度な技術を用いた縫製と加工(同社ホームページのニュースリリース)

ユニクロとしての気合いがひしひしと伝わってくる。

かつてロードサイド店だった頃、価格が安く品質はそこそこだったユニクロは、SPA方式の採用とともに品質向上に全力を挙げて「品質だけで勝負したらどこも敵わない」と大手アパレルメーカー幹部が口にするまでに一気になった。次にヒートテックやブラトップ、新しいところでは姿勢矯正下着のスタイルアップインナーなどの「機能性」を高めた。さらに、デザイナーのジル・サンダーと契約し「+J」ブランドを上市しただけでなく、デザイン監修契約によってデザイン性の向上も図っている。

「価格」は人によって安く感じたり高く感じたりするが、金額だけは絶対値だ。安く感じるか否かは、人の金銭感覚だけではなく価格に対していかに「価値」が高いかによる。ユニクロはその「価値」を高め続けているのだ。

「バリューライン」で考えてみよう。横軸に製品・サービスの「価格」、縦軸に「価値」の二軸を取ると、「安くてそれなりの価値のもの」から「高くて価値の高いもの」という比例した関係が出来上がる。それがバリューラインで、世間の相場だ。アパレル市場、もしくはカジュアルウェア市場でユニクロ全体としては、低価格なのに高価格のものと同等の価値である「スーパーバリュー」のポジションを取る戦略である。

 

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