社内政治にうんざり。転職を考えています 【キャリア相談 Vol.32】

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筆者は正当な評価を受けないような不遇の時というのは雌伏の時だと考えます。いつか大きな舞台に「呼ばれる」時のために、人知れず腕を磨くのです。偉くなることは権限、そして影響力が増すことなので、もちろん楽しいです。

でも来るべき時のためにヤミ練をするのも楽しいものです。あなたは敵陣深く潜入し、人知れず、人々を観察し、日々、精神と肉体を鍛える諜報員です。そんな感じで自らを鍛え続けましょう。筆者は20代くらいの若手からこういう相談をよく受けますが、「エリート君が傷ついて人の気持ちがわかるようになって良かったね」と言っています。

空気を支配する方法を身につけよ

困難にある自分の気持ちを他人にはわからないと思うのであれば、これを機会に独りになる訓練をしましょう。アウトプットし続ける仕事を長く続けるためには、独りで頭を休めたり、インプットする時間を意図的につくることが必要になってきます。こうした時間は人それぞれで、独りで本や音楽と共にホテルに籠るのも良いでしょうし、ジムで泳ぎまくったりするのもあるでしょう。一人でバーや鮨屋に行くのも良いでしょう、人には群れから離れて自分と向き合う時間が必要です。

たまに鮨屋に独りで行くと、そこには劇場があるので、面白いものです。なぜか鮨屋のカウンターでは周囲に人がたくさんいるのに、人は色んな態度で色んなことをしゃべるものです。そこで人間観察をしていると、自分の話ばっかりしている人や、横柄な人もいれば、良いオーラを持っている人もいるものです。鮨屋のカウンターでのやりとりを見ているだけで、名のある人かどうかもわかってしまいます。こうした人間観察をする独りの時間というのは非常に大切です。

質問者の方は、今後はチームを率いてマネジメントを行うリーダーになっていくことでしょう。率いる人数が多くなり、組織も大きくなってくると、スタイルは多様だとしてもリーダーシップが必要です。リーダーには自分を冷徹に分析する独りの時間が要りますし、他者からの見え方も含めて「どうやってその場の空気を支配するか」を会得しなければなりません。質問者の方は20代後半ということで、MBA的なハードスキルはすでに十分身に付いているはずですから、ここからのチャレンジは「空気を支配すること」の研究です。ゴールとしては、プロフェッショナルとして「何兆円企業だとしても、マネジメントであれば、いつでもできる」と言い切れる状態になれることです。

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