2060億円--映画の興行収入(2009年)《気になる数字》


 映画業界が好調だ。日本映画製作者連盟が発表した2009年の映画の興行収入(売上高に相当)は、前年比5.7%増の2060億円(→詳細)。3年ぶりに2000億円を突破し、最高だった04年の2109億円に次ぐ数字となった。邦画が1173億円と最高記録を更新するとともに、洋画も12.3%増の887億円と、回復傾向が見られる。

料金が高い3D映画が多く上映されたことで興行収入の増加につながったという意見もある。しかし、平均入場料は3円増の1217円。純粋に入場者数が増えたこと(5.5%増)が要因としては大きい。ただ裏を返せば、ポイントサービスなど実質的な値下げ競争が、映画館の間で厳しくなっている現状がうかがえる。

特徴的なのは、100億円を超える大ヒット作品なしにこれだけの数字に達したこと。過去2000億円を4回突破しているが、いずれも100億円超の作品が存在した。昨年は『ROOKIES-卒業-』の85.5億円が最高だ。

大ヒット作がない一方、興業的には成功したといえる興行収入10億円超の作品が邦洋画併せて57本と高水準に。堅実なヒットが見込める作品が増えた結果といってよいだろう。

惜しくもアカデミー賞は逃したが、今年は『アバター』がすでに興行収入200億円をうかがう大ヒットとなっており、幸先がいい。景気の悪い中、身近なレジャーである映画に人気が集まっているという分析もあるが、良作にも恵まれ、映画の活況はしばらく続きそうだ。
(宇都宮徹 =週刊東洋経済)

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