実は離職率の高いインド人、日本企業はどう対応するべきか?

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今、世界中の企業がインドに進出していますが、その一方でインドから撤退していく企業もあります。そういった企業の撤退理由の一つとして「高い離職率」があります。特に幹部クラスの離職は、いろいろなリスクもはらんでいます。

優秀な人にといっては売り手市場ですから、余計に離職率が高くなります。高給を提示してくる外資系企業や海外にいってしまうからです。ヘッドハンティングも珍しいことではありません。

一方、企業と労働者の相性がよければ20年、30年勤続ということもよくあることです。

日本にいるインド人IT技術者から話を聞くと、「今後もずっと日本の今の会社にいるかはわからない。欧米企業にいくいことも考えている」「インドに戻ると思う」と次のステップアップに欧米やインド企業への転職を意識している人も少なくありません。日本語をある程度覚えつつある人でもそうです。

「今の会社でずっと働く」という意識は希薄です。また、転職ではなく独立する人も多く、日本でIT技術者として活躍した後、インドに帰国し、日本向けにビジネスを開始する方も増えています。

話がそれますが、日本企業を相手にビジネスしていたインド現地のベンチャー企業が、金融危機のときにバタバタと倒産したという話も聞きました。それだけチャレンジ精神が旺盛かもしれません。経済が元気でチャンスもリスクもあふれているということも離職率の高い原因かもしれません。

■労働者側の権利意識が非常に強い

そのほかの理由としては、歴史的背景があります。

インドでは新経済政策に移行する1990年代初頭まで社会主義との混合型経済運営を行っていましたので、労働者側の権利意識が非常に強いことで知られています。

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