一流ブランド支える、一流デザイナーの仕事 ブランドを成功に導く立役者

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クリエイティブディレクターの台頭

では、ブランドのデザイナーは、いったい何をしているのでしょうか?

最近、デザイナーと呼ばれる人たちの多くが、“クリエイティブ ディレクター”という肩書きにシフトしています。彼らの仕事は、コレクション作りにとどまらず、ブランド全体のイメージや方向性を決めることです。そして、それを具体的な形にすることです。

その中には、もちろん、全体的なコレクションのテーマを決め、デザインし、実際に使用する生地やボタンを選ぶ、ということも含みます。一方で、ファッションショーの会場やモデルを決めたり、ショップの内装から紙袋のデザインまで、彼らが決めるものは多岐にわたります。

こういう背景により、デザイナーには、以前よりマルチなタレントが求められています。そして、このような貴重な人材はごく一握りの人たちです。ですから、ブランドビジネスの明暗を決める一流メゾンのデザイナー交代劇は、ファッション業界の最大の関心事のひとつです。そして、野球選手のようにギャラが公開されるわけではありませんが、億単位の報酬と、メゾンにおける最大級の権力が約束されるこのポジションは、ブランドにおけるピラミッドのトップであることは間違いありません。

さて、今後の「ファッション! インサイダーストーリー」では、デザイナーや業界関係者のインタビューなど、より広く、さまざまなトピックをお伝えします。また、ファッション業界の裏話はもちろん、業界以外のラグジュアリーブランドの取り組みなど、ファッションを軸におきながら、さまざまなネタを縦横無尽に取り上げていきます。そして、何かの形で読者の皆様にヒントになるようなものをご提供できれば幸いです。

ナオヨ マディソン ファッション ジャーナリスト

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ナオヨ マディソン / Naoyo Madison

青山学院大学 国際政治経済学部卒業。大手総合商社に入社し、配属先の繊維本部で欧州系インポートブランドを担当。その後、パリ ソルボンヌ大学に留学する為に渡仏。帰国後は、ラグジュアリーブランドを扱うセレクトショップでアシスタントバイヤーとして勤務した後、イタリア系ブランドのジャパン社に転職。数社にてキャリアをつみ、MDバイヤーとして活躍。現在は、ジャーナリストとしてロンドンやパリをはじめとする国内外のファッションショーをまわり、ランウェイレポートやインタビュー、ファッションビジネスを中心とした記事を執筆する。

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