三洋のプリンスが注ぐ住宅設備革命“大河の一滴”《中国を攻める》

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 その過程を振り返り、潮田会長はある変化に気がついた。

「取引先を表に書き出してみると、限りなく100%に近い全国の建築業者が弊社グループと関係を持っている。統合当初にシナジーとして考えていた生産性の向上だけでなく、もっと新しいビジネスモデル、サッシやトイレといった事業ごとでない、もっとインテグレートされたビジネスができるのではないか」

その具現化への第一歩が、今年1月に発表されたグループ統合ブランド「リクシル」である。トステムやINAXという各事業会社のブランドは存続させる一方、各ブランドの国内外のショールームはリクシルを冠した形に再構成する予定だ。

井植副社長はリクシルを“箱”に例える。トステムやINAX、アメスタといった一つひとつのブランドをダイヤモンドだとすると、リクシルはダイヤを入れる宝石箱。それぞれの事業会社が持っている輝きを相互に関係させることで最大限に引き出すことができる、というわけだ。

そして、この新モデルは日本よりも中国でこそ通用すると井植氏は見ている。中国のショールームは、日本のように高機能品から並べるのではなく、生活シーンごとにさまざまな価格帯の商品を組み合わせて展示している。実際に生活する際のイメージを重要視している表れだろう。

しかし、展示内容はもっぱら、バスルームだけだったり、キッチンだけだったり。「一つの家としてコンセプトを打ち出せているショールームはまだ一つもない」(井植氏)。インテグレートされた「総合力」を武器とする住生活Gだからこそ取り込むことのできる潜在需要がそこにはある、というのだ。

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