急に「エコグッズ」に開眼する若者の隠れた本音 ついに日本でも本格的な環境意識が生まれた?

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昨今、若者の間でもミニマリストが増加傾向にあり、荷物は少ない方がいい、といったムードがある。その点でこうした小型化できるマイボトルが流行っている側面がある。

しかし「エコ」の面ではどうかというと、若者の意識には差がある。実はエコ意識が高くても、「それを全面に押し出すのは抵抗がある」とこれらの商品を投稿した若者たちは語っていた。その点、こうしたおしゃれなグッズであれば、それが悪目立ちしない。こうして、さりげなくエコ意識をにじませられるマイカップが流行している面もあるかもしれない。

③エコバック

2020年7月1日からレジ袋の有料化が義務付けられたことに伴い、コンビニで軽食を購入する時から服や雑貨を購入する時に至るまで、多くの場所で袋にお金を支払わなければならなくなった。

こうした中、エコバッグを使用する若者が増加している。若者たちの中には、単なる「袋」では飽き足らず、自分を表現できるお洒落なファッションアイテムという要素を求める人も少なくない。

Franc Francの「バッグチャームエコバッグ」(写真:筆者提供)

たとえば、Franc Francの「バッグチャームエコバッグ」が人気だ。使用時以外は手の平サイズほどの大きさに収納することができるという利便性のほか、普段のバッグにチャームとして付けることができる点から、自分の個性を表現することができるということが人気の理由だ。

実際にこの商品を使用している女子大学生のAさんは、友人のInstagramのストーリーズ投稿でこの商品を見て、デザインの可愛さとチャームとしてつけられる点に惹かれ、購入を決めたという。数あるエコバッグの中では、比較的小さい容量だが、コンビニやドラッグストアで小さな買い物をした時に重宝しているそうだ。

今、コンパクトで利便性の高いものから、お洒落アイテムとしてSNSに投稿したくなるデザイン重視のものまで、多様なエコバッグが急速に増えており、そうした中で若者たちの話題に上ることも急増している。

スニーカーにもブームが

④スペースヒッピー

サステナブルファッションという言葉が近年出てくるなど、環境を意識したファッションに若者たちの間で注目が集まっている。日本ではまださほど浸透しているとは言えないが、今年、NIKEから発売されているスペースヒッピーというスニーカーが話題だ。これは、ペットボトル、Tシャツ、糸くずをリサイクルした再生素材を85%以上使用した商品。

NIKEの「スペースヒッピー」(写真:筆者提供)

通常、サステナブルファッションは、デザインより作り方が重視され、値段も高いことも少なくない。しかし、この靴は再生素材から作られたとは考えられないほどお洒落で、値段も2万円弱と普通の靴とさほど変わらない。環境にいい商品であるのにも関わらず、デザインや値段において普通の靴に引けを取らないという点が人気の要因になっている。

この商品を購入した大学生のCくんは「環境にいいからということよりも、シンプルにデザインがカッコよくて購入した」と語っていた。

また、服と異なり、靴は高頻度で履くものであるため、新しい靴を買えば友達との間で「新しい靴買ったの?」と話題になりやすい。

実際にCくんは、この靴を学校に履いて行ったら友達が「『新しい靴じゃん』と触れてくれてそこで廃材から作ってる靴なんだという話になった」という。自分から環境への配慮をアピールしているわけではなく振られた話題の中で環境の話につながるため、嫌味にならずエコ意識をアピールできているようだ。

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