主要業界別・2010年の見通し~格付け回復への条件《ムーディーズの業界分析》

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 日米路線は収益性が高い。乗継ぎの利便性向上やダイヤ調整を行うことにより、各航空会社の収益力の強化が可能であるとムーディーズは考えている。特に、世界で最も急速に成長している航空市場であるアジア諸国へのゲートウェーとして日米路線を強化することは、デルタ航空やアメリカン航空などの米国の航空会社にとって特に魅力的であろう。オープンスカイ協定は、航空会社間の提携の動きを促進する可能性があるとムーディーズは考えている。

当面は厳しい事業環境が続くものの、長期的には空港拡張とオープンスカイ協定が成長機会をもたらす可能性がある。航空業界は、国内業界の再編、国内需要の低迷、本年の空港拡張に合わせた機材の合理化や再編のための設備投資負担などから生じる不確実性に直面している。そのため、今後1年の見通しはネガティブである。10年後半以降、空港拡張が航空会社の収益性の回復に寄与する可能性があるともムーディーズは考えている。

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