(第12回)数学大国江戸の日本~算聖関孝和~(その3)

●『括要算法』の数学

『括要算法』全4巻は1712年、関の没後に刊行されました。『括要算法』は遺編ですが、関の数学の核心を著しています。内容は
累裁招差法、朶積術、諸約之法、角法、求円周率術、求弧術、求立円周積術
です。この中から円周率とベルヌーイ数を紹介します。

●円周率

「円周率を求める術」において「例えば円径一尺あり。則ち円周率若干を問う」に対する答えを355/113としています。その考え方は円に内接する正4角形、正8角形、正16角形の周の長さを順次求めていくものでした。そして最後に正32768(=215>) 角形、正65536(=216) 角形、正131072(=217) 角形の周の長さを等比数列と考えて次の公式を与えました。

ここで、a=正32768(=215) 角形の周、b=正65536(=216) 角形の周、c=正131072(=217) 角形の周です。これにより関が得た値は11桁まで合っているものでした。和算では円周率を最後には有理数(分数)として表すことを習慣としていました。それぞれに呼び名がつけられていました。
3/1=3(古法)、22/7=3.142857142(密率または約率)、25/8=3.125(智術)、63/20=3.15(桐陵法)、79/25=3.16(和古法)、142/45=3.155555(陸績率)、157/50=3.14(徽術)、355/113=3.14159292(円周率または定率)
 関の行った計算は加速法といわれるもので、後に弟子の建部にも受け継がれて発展していくことになりました。

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