オンライン課金が、ジャーナリストを救う

ネットでジャーナリズムが繁栄する日

 2009年ごろ、北米の新聞社は戸惑っていた。「オンライン版に課金をしても読者は離れないだろうか?」。しかし、2011~13年にかけて、戸惑いは、明確な問いになった。「どうやって、オンライン版に課金をすべきだろうか?」。
 2014年になり、いくつかの新聞社がこう自問している。「課金をしていないのはうちだけ?」(オンライン課金代行サービスの資料より)。北米の新聞社が相次いで導入したオンライン版の課金という流れは、業界にどんなインパクトを引き起こしたのか。
デジタル版の課金の成功により、業界の注目を集めるNYタイムズ(写真:ロイター/アフロ)

NYタイムズという成功例

オンライン版課金、つまり、今まで無料で読めたインターネット記事を楽しむ読者からデジタル購読料を取るという有料化に、最初に舵を切ったのは、米有力紙ニューヨーク・タイムズだ。2011年3月に導入、業界人やブロガーが「読者離れで失敗する」「いや、成功する」と賛否を書き、業界の注目の的になった。しかし、その年末には、「成功例」という見方が広まっていた。

現在、タイムズの購読の仕方は以下の4通りだ。

(1)パソコン+スマートフォン/月15ドル(約1500円)
(2)パソコン+タブレット端末/月20ドル(約2000円)
(3)パソコン+タブレット端末+スマートフォン/月35ドル(約3500円)
(4)新聞配達/月50ドル(約5000円、パソコン、タブレット、スマホのアクセスが無料に)

 

タイムズのデジタル購読は、購読者以外が記事をまったく読めないのではない。「メーター制」と呼ばれ、月10本までは無料で読めるが、それを超えると、上記(1)~(3)のいずれかを契約するように「メッセージ」が表示される。「メーター制」は、現在、多くの新聞社がオンライン課金をする際のモデルとなった。

メーター制にすれば、スクープ記事などを掲載した際、それだけを読みにくる「カジュアルリーダー」を失うことはない。逆に、「購読料を払っても読みたい」という読者から「取りはぐれ」もない。カジュアルリーダーとコアの読者を両方つなぎとめることで、オンライン広告の減少も防げる。

タイムズの課金が「成功」したと業界が知ったのは、導入から7カ月後だ。

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