子どもがアホなのは、共働きだからですか? 見て見ぬふりをしたいけど、到底できない教育問題

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それに、さまざまな困難を乗り越えて働いてきたからこそ、広い視野でこどもの悩みにアドバイスすることもできるかもしれない。こどもたちにとっては誇らしい、かっこいいママなんですから、こどもが「自分で選択する」シーンで、きっと一役買えるはず。でんと見守っていくしかないんじゃないでしょうか。

私が小学生のときに読んだ伝記で、たしか野口英世だったと思うのですが、そこに彼が14歳までおねしょをしていた、と書いてあった記憶があります。そして小学生になっても時にやらかしていた私は、「野口英世の14歳まではまだまだ年月がある」と自分に言い聞かせていました。

スポーツでも音楽でも、成功している子が「3歳からやっていた」という話とともに、「10歳まで触ったこともなかった」なんてエピソードも時々、聞きます。ちょっとほっとしますよね。「もう間に合わない」のではなくて、いつだって「まだ間に合う」だし、本気でかなえたいことがあれば、「これからでも十分追いつき追い越せる」と考えたい。

こどもの「選択」を見守ろう

母であると、おむつが外れるのが遅い、言葉が少ない、自転車に乗れない、などなど、人と比べて遅いことが無性に心配になることがあります。でも、時間のずれはあっても、自然とできるようになることもいっぱいある。後から考えると、「あんなに心配してバカだったわ」と笑い話になったり、すっかり忘れてしまっていることすらあります。

「あの子は英語がしゃべれる」からって、うちの子が英語が話せないまま大人になるとは限らない。また野生児信仰に戻るようだけれど、「本人がやりたくなれば、きっとできるようになる」と考えて、小さな遅れに不安を感じすぎないようにしたいものですね。

あなたのお子さんも、ほかの子より早くいろいろなことができた。でもほかの子が追いついてきた、というのにすぎないのかもしれません。そして、またポンと「うちの子、天才かしら?」と思うような「デキる」シーンを見せてくれると思います。そうやってだんだんとできることが増えていきながら、「これ、好き!」と目をキラキラさせたり、「できなくて悔しい」と涙したり、その子ならではのこだわり分野が出てくるのでしょう。

仕事も育児も頑張っているあなたのこどもですよ!きっと「ちゃんと自分で選択する」こどもに育っていくはずです。ママがそう信じて自分を見ている、ということが実はいちばん、こどもの教育に大切なことなのかもしれません。

そうだとすれば、ママが働いているかどうかは全く関係ないこと。強くて素敵な大人になるよう、全力で応援していきましょうよ。後ろめたさなんて感じたら、こどもに失礼ですもんね。

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堂薗 稚子 ACT3代表取締役

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どうぞの わかこ / Wakako Dozono

1969年生まれ。1992年上智大学文学部卒業後、リクルート入社。営業として多くの企業を担当し、数々の営業表彰を受ける。管理職として、多様な雇用形態の組織の立ち上げやマネジメント、『リクルートブック』『就職ジャーナル』副編集長などを経験。2004年第1子出産。2007年当時組織で最年少、女性唯一のカンパニーオフィサーに任用され、事業責任者、「リクナビ派遣」編集長を務める。2010年に第2子出産後はダイバーシティ推進マネジャーとして、社内外女性のメンターを務めつつ、ワーキングマザーで構成された営業組織の立ち上げ、マネジメントを担当し、彼女たちの活躍を現場で強く推進した。経営とともに真の女性活躍を推進したいという思いを強くし、2013年退職。株式会社ACT3設立、代表取締役。女性活躍をテーマに、講演や執筆、企業向けにコンサルティングなどを行っている。2013年2月、リクルート在籍時に東洋経済オンライン「ワーキングマザーサバイバル」連載に登場。FBのいいね!数が6000を超えるなど、話題となった。

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