「パパとママは、あの桜の下で結婚したのよ」 「ラ・クラリエール」がカップルに選ばれる理由

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「古きを大事にし、未来をつくる」が見える式場

シンボルである樹齢100年の木

このラ・クラリエールを語るうえで、外せないシンボル的存在が2つあります。それが、「樹齢100年の桜」と「保育園」です。この結婚式場の特徴のひとつが、樹齢100年の桜の下で、未来の愛を誓い合うこと。そして、この桜の木は、この結婚式場ができるずっと前から、この地にあったものです。

この式場を立ち上げたときのメンバーのひとりであるウエディングプランナーの三浦唯さんいわく、

「私たちは3年前、自分たちの手でこの『樹齢100年の桜』の周りに式場を作ることから始めました。というのも、桜の木を守りたいという、この土地のオーナーさんの思いがあって始まった式場だったからです」

とのこと。

この桜の木の周りに生えた雑草を自分たちで刈り取り、桜の木を剪定して整えて、というところから自分たちの手で始めました。その剪定された桜の木の枝も、式場で使われているペン立てになっています。大宮市の一般的な住宅街の中に、突如、優しい森のような空間ができたのは、その手作り感からかもしれません。

結婚式場はふたりの未来を誓う場所です。「長く続く時の流れ」を大事にしてくれる場所で結婚式を挙げたいと願っているカップルも多いことでしょう。このラ・クラリエールの桜の木は、そんな思いに対して答えを与えてくれる、シンボル的な存在になっているのです。

「理念」や「物語」という言葉が、マーケティングの世界では氾濫しています。そしてなんとか物語を作り出そうと、試行錯誤しているアクションも多く見受けられます。

しかし、本来の物語は作られるものではなく、そこにある思いや歴史から自然と生み出されるものです。時計の針を戻して、歴史を買うことはできないのです。

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