無料化は疑問だらけ、高速道路政策の混迷

無料化は疑問だらけ、高速道路政策の混迷

効果もはっきりしない社会実験に1000億円の税金を投入する余裕が、今の日本にあるのだろうか。

民主党の看板政策の一つである高速道路の段階的無料化が、今年6月にもスタートする。区間は全国の高速道路37路線、1626キロメートル。システム改修など所要の準備を経てから実施される。

今回の無料化に伴う財源は、2010年度予算案で計上されている1000億円。路線の選定に当たっては「渋滞や他の交通機関への影響などを勘案して」(国土交通省の馬淵澄夫副大臣)選んだという。

結果的に、東北地方で7路線327キロ、九州地方で6路線249キロが選ばれた一方、北陸3県は1路線。無料にすると、激しい渋滞が予想される都市部は有料のままだ。

「経済効果を年度末までに把握し、原則無料化に向けた次のステップにつなげていきたい」(馬淵副大臣)とするが、交通量の少ない地域でどれほどの効果が見込めるのか、疑問も湧く。

事態は一層複雑に

「原則無料化には反対。実施を見送るよう引き続き求めていく」(JR東日本)など、競合交通機関から反発の声も相次いでいる。

高速道路だけ税金で優遇するという交通手段間の不公平もさることながら、今回の税金による無料化には、受益と負担の原則を歪めるという根本的問題がある。

税金で道路建設に伴う借金返済を肩替わりすると、料金収入以上の道路建設が可能になる。ただでさえ財政規律の働きにくい道路建設が、一層野放図になる危険性がある。

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