新宿―浅草間、実質「片道140円」で乗る超ウラ技 メトロと都営の乗り継ぎ切符を上手に活用する

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都営地下鉄と東京メトロの乗り継ぎ切符は、両者の運賃を合算して70円の乗り継ぎ割引が適用される。この切符、実際の乗り継ぎルートにかかわらず、運賃は最短経路で計算するというルールがある。

例えば、渋谷から新宿まで東京メトロと都営地下鉄を使う場合、渋谷―(メトロ銀座線・半蔵門線)―青山一丁目―(都営大江戸線)―新宿が最短ルートだが、渋谷―(メトロ銀座線)―浅草―(都営浅草線)―馬喰横山/東日本橋―(都営新宿線)―新宿、というルートをたどっても問題ないのだ。

東京メトロの路線同士、または都営地下鉄の路線同士でいったん改札を出て乗り換える場合は、60分以内に乗り継ぐことが運賃通算の条件だ。だが、紙の切符を利用して都営地下鉄と東京メトロを改札外で乗り継ぐ場合は、乗り継ぎ時間の制限がない。

つまり乗り継ぎの駅周辺が目的地であれば、60分を超える用事を済ませたり、買い物や観光などを楽しんだりすることが可能なのだ。上述の渋谷から新宿までの切符であれば、メトロと都営地下鉄の乗り継ぎ駅である浅草で観光することができる。

浅草「乗り継ぎ」で散策を楽しむ

では、実際どんな区間ならおトクに使えるか。筆者が最初に試したのは、新宿から浅草に行き、浅草を散策して新宿に戻ってくるというルートだ。

新宿―浅草間は、東京メトロで往復すると484円(ICカードの場合)。だが、都営地下鉄と東京メトロの乗り継ぎ券なら280円で、なんと200円もおトクだ。通常なら1駅乗るだけでも168円(ICカード運賃)のところが実質片道140円! これならGo To キャンペーンなんてやらなくても運賃42%OFFが簡単に実現する。

たどったルートは、新宿から東京メトロ丸ノ内線に乗り、赤坂見附で東京メトロ銀座線に乗り換えて浅草へ行き、1時間半ほど散歩と甘味を楽しんだ後、今度は都営浅草線で東日本橋に向かい、同駅と連絡する馬喰横山から都営新宿線で新宿へ、というものだ。

新宿―浅草―新宿の乗車ルート(筆者作図を基に編集部作成)

このルートになぜ280円で乗れるのか。それは前述の「最短経路」の考え方による。

丸ノ内線の新宿駅から都営新宿線の新宿駅に電車で行く場合、最短のルートは新宿三丁目駅乗り換えだ。同駅は新宿の隣の駅なので両線とも初乗り運賃となり、東京メトロは170円、都営地下鉄は180円。両者を合算したうえで、70円の乗り継ぎ割引が適用されて280円となる。

運賃の計算上はこのルートとなるが、制度上は必ずしも最短ルートを通らなくてもいい。このため、浅草で乗り換えても同じ運賃となるのだ。

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