「英語の壁」を超える人、超えない人 イェール大学流、最強の英語勉強法(3)

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「教える立場」になると、英語が急成長した

 

斉藤:入山さんはどんな英語学習歴をお持ちですか? ご出身は東京でしょうか?

入山:出身は東京の練馬で、一応、進学校と言われるところにいたので、いわゆる受験英語はある程度できたのです。もともと海外志向みたいなものがあったわけではないのですが、大学3年生ぐらいから急に目覚めて、いろんなところに行って、ブロークンイングリッシュで何かしゃべるというぐらいはしていました。

三菱総研に入って海外出張するようになったのですが、それでもやっぱり全然しゃべれないんですよ。だから、本当に英語の問題にさらされたのは、まさにPh.D.コースに入って、生徒を教える立場になってからなのです。もう1年目のときは本当にひどくて……。

斉藤:死にますよね、あれ。

入山:死にます(笑)。TOEFLで何点取っていようが、まったく通用しないんですよ。パーティとかに行っても全然通じないし。しかもどちらかというと人見知りなので、隅っこのほうでひたすらワイン飲んでました。

斉藤:いわゆる「壁の花」ですね(笑)。

入山:斉藤さんの本のご主張とも関係するのですが、たぶん自分の英語がいちばん伸びたのは、ティーチングを始めたときなのですよ。教壇に立つと自分の意見をはっきり伝えないといけない。しかも90分ずっとしゃべっている。学生からの質疑にも答えなきゃいけない。そこですごく鍛えられたという思いがあります。

英語を学ぶと、「国語」の点数が上がる!?

入山:斉藤さんの本、すごく面白かったです。3つくらいポイントがありまして……。

ひとつは、まず「やっぱりイェール、すごいな」というのがありましたね。発音矯正の専門トレーナーがいて、発音の舌のたたき方を直したりするというのは、さすがイェールだなと思いました。私が行ったピッツバーグ大学のようなおカネのない公立大学では、そこまでやるのは無理ですね。

2つめに、終盤に書かれていた英語のライティングの部分です。ものすごく共感したのが、斉藤さんの塾では英語を教えているのに、生徒さんの「国語」の成績がまず伸びたという部分。

私が『世界の経営学者はいま何を考えているのか』を出したとき、おかげさまでいろんな人から「読みやすい」とおっしゃっていただいてありがたかったのですけど、それってあとから考えると、自分は英語で考えて原稿を書くクセがついていたからなのだなと思いました。

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