グーグルが「ドローン買収」で実現したいこと ネット企業の「空中戦」が始まる

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グーグルが買収したTitan Aerospaceとは

シリコンバレーにはNASAの施設もあり、南端の都市サンノゼからグーグル本社などがあるマウンテンビューにドライブすると、大きな施設を見つけることができる。私にはNASAの研究者として仕事をしている友人がおり、彼は地球の生物がどのように宇宙からもたらされたのかを研究している。隕石などでもたらされた原始地球の外の物質が生物へと進化したという説を説明してもらうたびに、非常にワクワクしながら空に思いを馳せることができる。

NASAを通じて、宇宙の研究が身近なエリアでもあるのだ。

さて、「Drone」という言葉は、主に軍事方面でよく聞かれる言葉だった。無人飛行機を指し、偵察機だけでなく、最近では攻撃用にもDroneが利用できるようになってきたという。また、グッと身近になるが、iPhoneやiPadから操縦することができるウェブカム付きのラジコン飛行機「AR Drone」という製品名に、「Drone」という言葉を見つけることができる。

グーグルが買収したTitan Aerospaceも、こうしたDroneを開発する企業だ。Titanの無人飛行機は、大気圏上層の高度2万メートルを、太陽光エネルギーで3年間飛び続けることができるようにする構想で、研究開発を続けてきた。現在の同社のウェブサイトは、グーグルによる買収後、そのアナウンスを行うページのみが公開されている状態になり、研究に関する情報は得られなくなった(参考)。

宇宙への興味が盛んなエリアだから、テクノロジーの最先端で夢もある空の技術をグーグルが買収したのか?と言われると、それはさすがに事業と懸け離れすぎていると言わざるをえない。インターネット企業らしい使い道から考え始めることがポイントと言える。

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