ニッセン、フランフランがセブンを選んだワケ セブン&アイの傘の下に入る旨みとは?

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雑貨店「フランフラン」を運営するバルスも、約50億円(出資比率約49%)でセブン&アイにグループ化された。同社の髙島郁夫社長も「提携先はほかにも探したが、一つの課題しか解決できないところばかりだった。一方でセブンはネット、物流、顧客、店舗網と総合的にさまざまなことに取り組める可能性があると感じた」と語る。

セブンとバルスの資本・業務提携会見

髙島社長は、セブンと手を組んだ一番の理由として「販売力」を挙げた。「セブン-イレブン1店舗当たりの1日の平均売上高は、ライバル社と比べて2割以上高い。その差が何なのか知りたかった」。

実際、バルスにはすでに2人のキーマンがセブンからやってきた。セブン-イレブンで担当地区の店舗運営を統括するゾーンマネジャーを務めた人物で、現在はバルスの販売本部長として店舗運営などを取り仕切っている。

セブン-イレブンの店舗統率力は業界では有名。髙島社長も「現場へサービスを理解させる力は、われわれ以上」と感嘆する。末端の販売員まで商品のセールスポイントをしっかり浸透させるなど、店舗運営の基本を再徹底している。

バルスは今後、従来の大型店舗と比べ店舗面積を2割ほどに抑えた小型店を、最大で約200店出す方針だ。4月には神奈川県内に1店目がオープン。店舗数が順調に増えていけば、セブンの持つ店舗を統率するノウハウがより生きる。

人事交流への高い期待

人事に関してはニッセンでも同様だ。セブン-イレブン・ジャパンの執行役員でもある永松文彦氏が3月にニッセンHDの副社長に就いた。永松氏はゾーンマネジャーとしての経験に加え、人事畑が長く、グループ各社とのパイプも持っている。

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