グーグルが自社ブランド携帯を投入、広告拡大への試金石

拡大
縮小


 ネクサス・ワンの投入によって、OSの供給先である米モトローラなど端末メーカーと競合が生じる。それでも自らOSの性能を100%引き出せる端末を出すことで、アンドロイド陣営の拡大機運を高める必要があった。

次は端末無料化?

ただ、両刃の剣にもなりかねない。「グーグルが自ら端末に手を出すとは驚いた。OSの開発を一手に握っている以上、自社端末の開発を有利に進められるようになってしまう」(パナソニックモバイルコミュニケーションズ経営企画グループの佐藤健夫氏)と、警戒する端末メーカーも。グーグルが独り勝ちとなれば、アンドロイド陣営の空中分解も起こりかねない。

あえてハードビジネスの世界に踏み込んだわけだが、今後は「通信料金や端末を無料にするなど、業界構造を破壊する可能性もある」(野村総合研究所の北俊一・上席コンサルタント)。モバイル広告の覇権を狙い、どんな戦略を仕掛けてくるのか。

(桑原幸作 =週刊東洋経済)

関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT