禁断の財源に頼るのか 民主党“暴走”の懸念

禁断の財源に頼るのか民主党暴走の懸念

耳を疑いたくなるような就任会見だった。

1月7日に健康問題で辞任した藤井裕久前財務相の後任に就いた菅直人副総理兼財務相。2010年度予算の編成において、民主党がマニフェスト(政権公約)でうたった無駄排除による財源捻出が瓦解したことを受け、軌道修正を図るかと思いきや、さにあらず。「この1年は埋蔵金を含め、207兆円の総予算(一般会計と特別会計の純計)を徹底的に洗い直す」「無駄な経費などの組み替えをやらないまま増税を考えると、結局無駄なものが残ってしまう」と、従前の主張を繰り返した。

10年度予算の国会決議の後、待ち受けるのは11年度予算の編成である。ここでは子ども手当の全額実施などマニフェストの目玉政策のためだけでも、数兆円の追加財源が必要。だが、新財源を準備すべき理由はほかにもある。11年度から公的年金の国庫負担でも新たに約2・5兆円の財源が必要となるのだ。

あの特会が狙われる?

04年の年金改正では少子高齢化に対応するため、09年度までに基礎年金の国庫負担を3分の1から2分の1に引き上げることが定められた。その必要額が約2・5兆円。当初は消費税増税などで恒久財源を確保する予定だったがかなわず、結局09~10年度は特例的に財政投融資特別会計である埋蔵金を財源に充てることで決着した。これを使い終えて、新たな財源が必要となるのが11年度なのだ。

このことはむろん、菅財務相も先刻承知のはず。だが増税を封印しておいて、巨額の追加財源をいったいどこから捻出するというのか。

行政刷新会議の事業仕分けには金額的な限界がある。10年度予算編成では当初、事業仕分けで3兆円の歳出削減による財源確保を明言したが、実際には約1兆円の削減にとどまった。それでも科学技術関連や緊急医療、国土・森林等の維持などで「不要不急の無駄」と削られた当事者からは批判が噴出。11年度予算編成で一段と歳出を切り刻めば、国民から悲鳴や怒りの声が上がる可能性が高い。

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