日本コカ・コーラ取締役会長・魚谷雅彦(Part4)--数千万円のキャンセル料を支払ってジョージアのCMを作りました

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日本コカ・コーラ取締役会長・魚谷雅彦(Part4)--数千万円のキャンセル料を支払ってジョージアのCMを作りました

■ CEOへの道は、職業としての“社長”を選び、第一線で活躍するプロによるトークセッション。将来、経営層を目指すオーディエンスに、自らの経験とノウハウを語る。

--シニアバイスプレジデントのマーケティング責任者として、日本コカ・コーラに引き抜かれた経緯を教えてください。

クラフト・ジャパンで3年たったとき、コカ・コーラから声がかかったんです。それまで過去にコカ・コーラが日本人のマーケティング責任者を採ったことはありませんでした。

あえて日本人を採るぞと意気込んだイギリス人の社長・マイケル・ホール(マイク)と僕はすごく馬が合ったんです。何回か食事をして盛り上がって決まった話で、一度も正式な面接はしていません。完成されたビジネスなので最初は躊躇していたのですが、マイクの誠実な人柄と熱心な説得に応じました。

--着任後、最初の仕事が缶コーヒーのジョージアですね。

缶コーヒーの利益率は高く、会社の収益の柱です。大事な商材であるジョージアが当時売り上げを落としていて、初出社の2時間後、マイクから「ジョージアを立て直すことが君のミッションだ。解決してもらいたい」と言われました。

入社してすぐにひどいこと言うなあと思いましたが(笑)、僕も偉そうなポジションで入っていますからね。

自分が人を採用するときにも思いますが、それなりのポジションや報酬で採用されたら、それまでにない新しい付加価値を作れなければ意味がありません。マネジメント職で転職したらそのつもりで行かないとだめですね。

すぐにジョージア担当チームと話を始め、初日から帰宅は23時ごろ。約束だった3カ月のアトランタ研修もキャンセルとなりました。

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