(第23回)大学生活でまず最初に学ぶべき学問は何か

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観想力 空気はなぜ透明か
(三谷宏治著、東洋経済新報社)

 最初の1冊は、戦略コンサルタントとして、第一線で活躍されてきた三谷宏治氏の著書、『観想力 空気はなぜ透明か』だ。
 コンサルティングファームのパートナーとして、人材採用の最終面接で三谷氏が出した「問い」をもとに考えることの重要性を伝えている。身近なテーマをもとに「問いを立てる」「論理的に考える」ことの重要性が書かれているので、たいへん理解しやすい。

国家<上>
(プラトン著、藤沢令夫訳、岩波文庫)
 2冊目は、プラトンの『国家』。
 正義とは何か、国家とは何か、そのような本質的で重要である問いにもかかわらず、通常はそのまま流してしまう問題に対して、問いを立て、論じている。対話形式で書かれており、読みやすい。また、帰納法・演繹法という思考の基礎技術を現実社会に応用するテキストとしても最適な書だ。

[新版]MBAクリティカル・シンキング
(グロービス・マネジメント・インスティチュート著、ダイヤモンド社)
 3冊目は、グロービス・マネジメント・インスティチュートの、『MBAクリティカル・シンキング』。
 社会人向けのビジネススクールが出しているため、経営に関する問題を扱っている。社会人や、経営に興味のある学生であれば興味深く読むことができる。基本の1冊。

 以上、哲学・クリティカルシンキングの重要性と学び方について論じてきた。

 未来が予測しにくく、答えの見えにくい世の中だからこそ、自ら問いを立て、考える姿勢を、意識して磨いていただきたい。

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福井信英(ふくい・のぶひで)
慶應義塾大学商学部卒。株式会社ジョブウェブの事業部長として、数十社の採用コンサルティング及び、各種リサーチ、教育研修コンテンツの作成に取り組んだ後、独立。
現在は著述業ほか、複数のソーシャル・プロジェクトの実行を手掛ける。
ブログ:人と組織と、fukui's blog
Twitterアカウント: @fukui_dayo
福井 信英

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