年末ににおった藤井財務相辞任劇 トロイカ復活で真剣勝負

年末ににおった藤井財務相辞任劇 トロイカ復活で真剣勝負

塩田潮

 辞任した藤井前財務相は、何もなければ、今日(1月8日)夕方から約1時間、札幌で講演を行うはずだった。だが、12月28日にキャンセルした。なぜそんな事情を知っているかというと、講演会の主催側からの依頼で、私がピンチヒッターを引き受けたからである。
 そんなわけで、年末から、もしかすると財務相辞任もあるのでは、と予想していたら、そのとおりになった。
 支持率低落中の鳩山内閣はこれから予算審議という局面で、新年早々、予算担当大臣の交代というショッキングな出来事に遭遇した。「歴史的政権交代」から4カ月、新政権は慣らし運転を終え、いよいよ本番という場面での騒動である。2010年は波乱の幕開けとなった。

 藤井氏辞任の原因は不明な点が多い。おそらく本人の説明どおり健康問題が第一の理由だと思うが、鳩山首相との行き違い、小沢幹事長との確執などの他に、旧自由党時代の政治資金処理問題まで浮上して話題を呼んだ。後任はすんなり菅副総理に決まった。これで小沢代表時代以来の「鳩山・菅・小沢」のトロイカ体制が完全復活となる。  菅財務相については、必ずしも経済に強くない点を指摘して経済政策・財政の運営能力を懸念する向きもあるが、大蔵省出身の藤井氏と違って、財務省改革、あるいは脱財務省依存の打破に果敢に挑むのでは、という期待は大きい。

   鳩山首相は、父親時代以来の長いつきあいの藤井氏に頼りすぎて甘えが出ていた面があった。が、トロイカ体制復活で身内意識を棄て去って、トロイカの3者間の真剣勝負という緊張感の中で政権運営を行わなければならなくなった。
 今度の交代劇がプラスに作用するとすれば、最大の効果は「宇宙人」の独り立ちだが、災いを福に変えられるかどうか。ついでにいえば、もう一人の小沢幹事長も、この際、党に立てこもる形をやめて、国家戦略担当相あたりで入閣し、名実ともにトロイカ内閣とするのが、むしろ責任が明確になって政権運営の透明性が高まるのではないか。
(写真:尾形文繁)
塩田潮(しおた・うしお)
ノンフィクション作家・評論家。
1946(昭和21)年、高知県生まれ。慶応義塾大学法学部政治学科を卒業。
処女作『霞が関が震えた日』で第5回講談社ノンフィクション賞を受賞。著書は他に『大いなる影法師-代議士秘書の野望と挫折』『「昭和の教祖」安岡正篤の真実』『日本国憲法をつくった男-宰相幣原喜重郎』『「昭和の怪物」岸信介の真実』『金融崩壊-昭和経済恐慌からのメッセージ』『郵政最終戦争』『田中角栄失脚』『出処進退の研究-政治家の本質は退き際に表れる』『安倍晋三の力量』『昭和30年代-「奇跡」と呼ばれた時代の開拓者たち』『危機の政権』など多数
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