女性に向かない仕事がある、というウソ 不動産業界でも女性は輝ける、高知のモデルケース

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女性を「ファミリー」だと思う

まずリーダーは女性を「売り上げ目標達成のための道具」ではなく、「お互いに切磋琢磨して協力し合う自分のファミリー」だと思うこと。家族だと思えば、会社に対する愛着心をどう高めていくかという目線を持てるはずです。

営業のマネジメントは、ある目標を掲げたら、それにメンバーのベクトルを合わせていくのが一般的かもしれません。それよりも個人のモチベーションを重視し、内発的なうねりを持てるようにすること。そうすれば会社単位、組織単位の人数に応じて、それにふさわしい風土のあり方が見えてくるでしょう。その実現には何が必要か、徹底的に社員と対話をすること。といっても何もあらたまった会議をするのではなく、まずは何でも言い合える空気をつくることが大事です。

「普通の上司と部下は、“年に何回面談している”とか、“毎月必ず面談している”というように、時間や回数を決めてコミュニケーションをとっていますよね。でも本当はかしこまった面談などよりも、普段の何気ない雑談のほうが大事なんですよ」

武樋社長が言うとおりファースト・コラボレーションでは、社長が「どんどん私語をしなさい」と命じ、無駄話やおしゃべりを通じて信頼とチームワークを築いています。

「会社ですから業績も大事ですが、心も大事ですよ」とおっしゃった言葉が印象的でした。

女性の活躍推進は、周囲が理解を示さないこともあると思います。たとえば会社全体としてはあまり女性活躍が進んでいないけれど、一足先に自分の部署だけでも進めたい、というような場合。あるいは体質的に古く、女性の進出が遅れている業界で、当の女性本人が「私には無理です」と二の足を踏んでいるような場合。こんなとき、武樋社長は次のように提言します。

「反対する人を少しずつこちらに巻き込むことです。考え方が違う人に正面からぶつかっても、衝突して関係が悪化するだけ。それよりも時間をかけて、わかってもらうようにしたほうがいい」

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