日テレが"O2O2O"を加速するワケ 「放送と通信の融合」は、次のステージへ

✎ 1〜 ✎ 20 ✎ 21 ✎ 22 ✎ 23
拡大
縮小

――バルセロナで開催された「Mobile World Congress」での世界各国の反応はいかがでしたか?

バルセロナで行った展示の様子

非常に大きな反響をいただきました。いくらでやれるかといった、引き合いレベルの話もかなりありました。今から社内で体制を考えなくては対応できないほどです。

東南アジア、インドなど、アジア各国からの呼びかけが非常に多く、勢いもすごい。今後、モバイルやテレビがより普及していく国ですね。後は、ヨーロッパもありましたが、アメリカは意外と少なかったですね。

日本でしっかり実績を作ることが大事ですが、しがらみがあって難しいことも多いので、場合によっては海外のほうが事例を作りやすいかもしれません。

テレビの進化は、“マス”と“パーソナル”の融合

――あらためてお聞きしますが、今なぜ、テレビ局がO2O2Oに取り組むのでしょうか?

テレビは“マス”。同じものを同時に届けるところに最大のパワーがあります。一方、ネットの世界は、“パーソナル”。一人ひとりに情報を届けられる。ここに、テレビ局は、なかなか着手できていませんし、ビジネスにも生かせていません。

いかに“マス”と“パーソナル”を融合していけるのか。「放送と通信の融合」という言葉はもう古い。マスとパーソナルの融合の先に、テレビの新しい価値、新しいビジネスモデルという将来的なテーマがあります。

テレビを見た後の話だけではなく、テレビへの入口も変わってきています。どこでテレビ番組を知ったのかを調べると、若い人の間ではツイッターという流れも多くなっています。

取り巻く環境の変化の下、待っていてもダメ。むしろ率先して取り組んでいきます。他局にも呼びかけ、テレビ業界全体で一緒に取り組んでいきたいです。

次ページO2O2Oの具体的な仕組み
関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT