1ドル101円半ば、方向感ない為替相場

下げ止まらない米国株を不安視

4月14日、東京外為市場午後3時のドル/円は、前週末のニューヨーク市場午後5時時点に比べてわずかにドル安/円高の101円半ば。都内で2011年8月撮影(2014年 ロイター/Yuriko Nakao)

[東京 14日 ロイター] - 東京外為市場午後3時のドル/円は、前週末のニューヨーク市場午後5時時点に比べてわずかにドル安/円高の101円半ば。安倍晋三首相と日銀の黒田東彦総裁が月内に会談を行うとの報道がサポート要因になったが、下げ止まらない米国株や米長期金利の低迷などを背景に、ドルの上値を追う機運は盛り上がらなかった。

ドル/円は101円半ばでトレンドが出なかった。

午前の取引では、日経平均株価<.N225>の底堅い値動きに加え、安倍首相と黒田総裁が今月中に会談を行う予定と報じられたことが下支え要因となった。仲値にかけては実需筋のドル買いが観測されたが、仲値を通過すると商いは閑散となった。

大手信託銀の関係者は「先週の中盤ぐらいからドル/円は方向感がなくなっている。テクニカル的には101.20―30円で3月から数回止められていて、ここを切れてくると下に走りそうだが、それまでは材料に欠けてもみあいになるだろう。フローも普通に出てはいるが、それがドル/円を動意づかせることにはなっていない」と指摘している。

下げ止まらない米国株

外為市場では米国株式市場の動向を懸念する声が多く聞かれるが、11日の米国株式市場は続落し、なかでもナスダック総合指数<.IXIC>は今年2月上旬以来初めて4000を割り込んで取引を終えた。

バイオテク株やその他のモメンタム株が同指数を大幅に押し下げた。JPモルガンの決算に対する失望からか、銀行株の一角も下落した。

下げ止まらない米国株の動向について、「(米国では)前会計年度の確定申告の提出期限が4月15日で、期限を目前に株の換金売りが流入して、上値を圧迫し続けている」(投資顧問会社)との指摘が出ていた。

また、「米企業の業績が特段悪化しているわけではないが、株価は先の先まで好業績を織り込んで上がってきたので、その揺り戻しが出やすい」(運用機関)環境にあるという。

VIX指数とジャンク債バブルに警戒

米国株とともに市場で懸念されているのが、ジャンク債市場の動向だ。

シカゴ・オプション取引所のVIX指数(ボラティリティ・インデックス、別名「恐怖指数」)は12日、前営業日比1.14高の17.03で取引を終えた。同指数は2営業日連続で上昇している。

しかし、「現行のレベルは、リーマン・ショックの前と同水準であり、投資家がリスクに無頓着になっていることを表している」(エコノミスト)という。

さらに、投資不適格なジャンク債の利回りも総じて低下し、あらゆるリスクを押しつぶして、過熱感がないままバブルを着実に醸成するという量的緩和のデメリットが浮き彫りになっている、と同エコノミストは警告する。

複数の米ヘッジファンドの運用担当者も、ジャンク債市場がバブルの兆候を示しているとの懸念を抱いており、特にジャンク債を購入して、米国債を空売りしているファンドに用心する必要があると指摘する。

首相・日銀総裁会談

安倍首相と黒田総裁の会談は、実現すれば昨年末以来。首相と総裁は定期的に会談し、内外経済・金融情勢について情報交換してきたが、今回もその一環とみられる。

前週は、黒田総裁が会見で早期の追加緩和に改めて否定的な見解を示し、円買いの一因となった。前週は株安基調も鮮明になったが、市場では「株安・円高が日銀の追加緩和を促す側面もあると思う」(国内金融機関)との声が出ている。今後、会談日程が明らかになれば思惑が高まりやすいという。

ユーロは底堅い

週明けとなるこの日未明のマーケットでは、ユーロ/ドルが前週末のニューヨーク市場の終値1.3884ドルを下回って取引を開始。欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁が12日の記者会見で、ユーロがさらに上昇した場合、追加の金融緩和が必要になるとの見解を示したことが材料視された。

ただ、ユーロ売りは続かず、1.38ドル半ばでこう着感が強まった。「ユーロが上昇するとECBとしては困るので、口先介入や追加緩和期待で上値を抑制してくるのだろう。しかし、ユーロは底堅い。ドル安傾向やユーロ圏の経常黒字がユーロを下支えしている」(邦銀)との声が出ていた。

(森佳子)

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