(第50回)“12”ミステリアス・ナンバー

桜井進

 12の神秘に気づいた数学者ラマヌジャン。人並み外れた計算力の持ち主で、数論の歴史にその名を刻むまでになったインドの天才。数の魔術師は、12 の力を知ることになった。
 「1729はつまらない数だ」とハーディが言うと、病床のラマヌジャンは跳ね起き、「ハーディ先生、1729は大変おもしろい数です」と言いました。なぜだというハーディに対して、すかさず答えるラマヌジャン。「1729は三乗数の二つの和に二通りに表すことができる最小の数ですから」とラマヌジャン。

 たしかに、10×10×10=1000、9×9×9=729、12×12×12=1728、1×1×1=1なので上の等式は成り立つ。こうなる数は1729 が最小だと判断できるところがすごい。ハーディは後に、伝記の中で「ラマヌジャンはすべての自然数と親友であった」と述べている。まさに言いえて妙である。
 ならばいかにしてラマヌジャンは1729 と友人になったのか。
 ラマヌジャンは次の公式を発見している。

 これはどんな数a、bに対しても成り立つ恒等式と呼ばれるものである。ここで、a=、b=とすれば、確かに103+93=123+13が現れる。しかし、この公式だけから1729 の興味深い性質をラマヌジャンは導き出したのであろうか。
 その謎解きの鍵は、ラマヌジャンの業績の中で抜きんでて重要な「ラマヌジャンのゼータ関数」の中に見つけることができる。
 難しい数式が続くが、読者の皆様にはもちろん理解できなくても問題はない。これから登場する額縁に納められた数式から、その雰囲気だけ感じてもらえるとうれしい。

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