生前贈与税を下げ、若い人におカネを渡そう 草食投資隊が考える成長戦略②

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藤野 確かに2000億円は大きな額ですが、一般会計予算は100兆円もあるのですから、2000億円なんてほんの一部です。都道府県ごとに海外留学を希望する子供に試験をして、1クラスで1~2人が留学できるようにする。

こうして年間2万人の子供が海外に留学すれば、20年間で40万人が海外での留学経験を持つことになります。これを継続的に行っていけば、日本にとって大きな力になるはずです。その子たちが1年間の留学経験を終えて帰国する。そういう子供が1クラスに1~2人いたら、他の子供たちにも影響を与えるじゃないですか。今の若い人たちは海外留学をしたがらないと言われていますが、資金面で国がしっかりサポートすれば、そのチャンスを活かしたいと考える子供は必ず出てきます。

子供の数を増やせ

中野 20年間で40万人、40年間で80万人。確かに、長期的かつ継続的にこの政策を実行できれば、日本は大きく変わりますね。

藤野 そうなんですよ。目先で物価上昇率を2%にするなんてことばかりじゃなくて、もっと時間軸を長期にして、日本経済にとってプラスになることは、まだまだたくさんあるはずです。そういうことを考えるのが、本当の成長戦略だと思います。

渋澤 子供の教育という点で言えば、確かに今、いる子供の教育を充実させることも大事ですが、それと共に、子供の数を増やす政策も考えていく必要がありますね。

藤野 これについても秘策がありますよ。大学に入学したら、国が保証人になって、銀行が学生に学費を融資するという制度を作るのです。これ、少子化に歯止めをかけることにもなりますよ。日本はとにかく教育費が高いので、この制度によって親の教育費負担が軽減されれば、子供を作ろうという気持ちになるでしょう。教育費負担が軽減される分だけ、親世代の消費が活性化される余地も生まれますし、銀行の信用創造も拡大します。

渋澤 でも、そう簡単に大学で勉強するために若者たちがお金を借りるかな~。

藤野 そこは文化を変えていく必要があるでしょうね。米国みたいに、大学は自分でお金を借りて行くものだという意識が広まらないとね。でも、自分でお金を払って勉強するということになれば、学ぶ意識が大きく変わります。結果的にニートも減ると思います。

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