コロナ不況を乗り切るためにすぐ使える節約術 「いつでも使えるお金」が少ないと破綻必至

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iDeCoの場合、金融機関に「加入者掛金額変更届」を提出すれば、年1度、掛け金の変更ができます。掛け金の最低金額は月額5000円で、5000円未満の積み立てはできません。また積み立てを停止する場合は、金融機関に「加入者資格喪失届」を提出します。積み立てを停止しても、それまでに積み立てた分について、運用商品を乗り換えるなどの指示は可能です。

注意したいのは、停止している間もそれまでと同様に口座管理手数料がかかることです。拠出を続ければ、所得控除による所得税と住民税の負担軽減で口座管理料のカバーも可能ですから、安易に停止するのではなく、無理のない範囲で継続するのが望ましいといえます。

iDeCoで拠出を停止した場合でも、それまでに積み立てた資金が引き出せるのは60歳以降です。すぐに引き出せるわけではないので、注意してください。

株価が下落しているときは積み立て投資に有利

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つみたてNISAやiDeCoの運用先として投資信託を選んでいる人は、株価下落に不安を感じているかもしれません。つみたてNISAは過去に積み立てた分を別の商品に乗り換える、いわゆるスイッチングはできませんが、iDeCoでは保有している投資信託を預金などにスイッチングできます。

しかし、スイッチングするということは、保有している投資信託を売ることであり、新型コロナの影響で株価が値下がり傾向にある現在は、安値で売る、つまり損失を確定させることになりかねません。この先も運用を続けられるのであれば、スイッチングを急ぐ必要はないと考えられます。

また新規で積み立てる分については、つみたてNISA、iDeCoとも商品の変更が可能ですが、今こそ、株式に投資する投資信託を選びたいところです。価格が低いときには多くの口数を買うことができ、買付単価を抑えることができるからです。

「有事」によって生まれた時間。お金について、じっくり考えてみましょう。

井戸 美枝 ファイナンシャルプランナー

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いど みえ / Mie Ido

神戸市生まれ。 関西と東京に事務所を持ち、年50回以上搭乗するフリークエントフライヤー。講演や執筆、テレビ、ラジオ出演などを通じ、生活に身近な経済問題をはじめ、年金・社会保障問題を専門とする。『世界一やさしい年金の本』(東洋経済新報社)、『知らないと損をする国からもらえるお金の本』(角川SSC新書)、『現役女子のおカネ計画』(時事通信社)、『一般論はもういいので、私の老後のお金「答え」をください!』(日経BP)『親の終活、夫婦の老活 インフレに負けない「安心家計術」』(朝日新書)など著書多数(ホームページ​経済エッセイスト井戸美枝FBページ)。

 

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