国と証券会社が勧誘、増資が相次ぐ地銀の事情

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 金融危機を背景に、国際的な資本規制強化が議論されている。国際的に活動する金融機関には、自己資本の質も量もより高いものが要求される方向だ。質においては、内部留保と損失吸収力があって配当制限ができる普通株とで、一定水準が求められる。

とはいえ地銀が直接規制の対象となる予定はない。ところが証券マンは「市場からは同じ目線で見られますよ」とあおり、特に劣後債の償還期限を迎えている地方銀行に「この際、質のよい普通株で償還資金を調達しましょう」と説得。中でも財務担当者をあきれさせたのが、「メガバンクや野村ホールディングスが大型増資をするので、その前のほうが資金を集めやすいですよ」といったセールストークだった。

当然のことながら、増資は1株利益の希薄化を伴う。発表後、どの地銀も株価は沈んだままだ。

(大崎明子 =週刊東洋経済)

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