日経平均はGW後、再び2万円を回復できるのか 投資家の「3つの疑心暗鬼」はいつ消えるのか

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世界の1~3月期のGDP成長率も年率換算でマイナスに転落したが、4~6月期にはさらに悪化しそうだ。年率換算では40%(アメリカ)、21%(日本)などという、途方もない数字が一部で予想されている。

需給を見ても「裁定取引ネット買い残」(=買い残-売り残)は4月24日現在でマイナス1兆9854億円と、極端な弱気型になっている。この異常(正常はプラス圏)なネット買い残は昨年9月にも現れたが、その後正常化する過程で、日経平均は3000円高となっているのは記憶に新しい。

やはり、この「違和感のある株高」が続くカギは、山中伸弥教授の「明けない夜はない」にあるのかもしれない。コロナウイルスの拡大はいずれ終わる。その後は経済復興のために世界は邁進しなければならないが、その間、何でもありの金融政策でジャブジャブになった資金供給量を即座に引き締めるわけにはいかないのだ。そんな世界を、株の先見性が見据えているのかもしれない。

「連休後」はどう対応する?

さて今週の日本は、5月4日~6日が休日で、7・8日という立ち合い日数わずか2日間の特殊な週である。

だが、休み中にも世界では決算や、アメリカの4月ISM非製造業景況指数、4月ADP社の全米雇用レポート、中国では4月財新中国非製造業PMI、4月貿易統計が出る。そして「メインイベント」、である米雇用統計等、重要な景気指標が相次いで発表される。

一方日本でも、8日の週末は早くもオプションSQ(特別精算指数)の算出日であり、かつ決算集中日だ。厳しい数字に市場がどう反応するか。レムデシビルの有効性についての評価も、市場の有力な材料であり、波乱の要素には事欠かない。こういう時こそ株価に翻弄されず、「株価の正体」をしっかり見極めていきたい。

平野 憲一 ケイ・アセット代表、マーケットアナリスト

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ひらの けんいち

日本証券アナリスト協会検定会員。株一筋約45年。歴史を今に生かすことのできる「貴重なストラテジスト」として、テレビ、ラジオ、新聞、雑誌への出演や寄稿記事多数。的確な予想で知られ、個人投資家の間には熱烈な「平野ファン」がいることでも有名。1970年に立花証券入社以来、個人営業、法人営業、株ディーラーを経て、2000年情報企画部長マーケットアナリストとして、投資家や各メディアに対してマーケット情報発信をスタート。2006年執行役員、2012年顧問就任。2014年に個人事務所ケイ・アセット代表。独立後も、丁寧でわかりやすい解説を目指す。

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