中国で金融緩和観測広がる

疑問視される「ミニ景気支援策」の効果

4月7日、中国は、今後数カ月以内に景気下支えのため2年ぶりに金融緩和が必要との観測が一部エコノミストの間で広がっている。安徽省合肥の銀行で3月撮影(2014年 ロイター)

[北京 7日 ロイター] -中国は、今後数カ月以内に景気下支えのため2年ぶりに金融緩和が必要との観測が一部エコノミストの間で広がっている。今年に入って発表された「ミニ景気支援策」の効果が疑問視されているためだ。李克強首相の発言も期待を後押しする。

中国政府は今年、鉄道敷設など発展が遅れている内陸部向けの計画を加速させたり、小規模企業向けの減税を発表している。しかし、これらは、昨年発表した措置とさほど変わり映えしない。大和キャピタル・マーケッツ(香港)のシニアエコノミスト、ケビン・ライ氏は「一定の効果はあるが、十分ではないだろう」と指摘する。

ライ氏を含め、複数のエコノミストは、今年は、市中銀行が中央銀行に預ける資金の規模である預金準備率を2012年5月以来初めて引き下げるなどの金融緩和も必要になる、とみている。

李首相は3月下旬、減速する経済を支援するために必要な政策カードを有していると述べた。

政府系シンクタンクのエコノミストらは、預金準備率の引き下げはおそらくカードの一つ、と指摘する。昨年12月に14年の成長率目標を7.5%に据え置いたのも、まだ手元に切るカードがある、という自信があったからだという。

国家情報センターのチーフエコノミスト、ZhuBaoliang氏は「7.5%という目標を設定した時、すでに(ミニ景気支援)策のことを考えに入れていた。今まさに、それを矢継ぎ早に打ち出している」と述べた。

ただ、預金準備率の引き下げ時期について、エコノミストの見方は分かれる。「改革を推進し経済構造の調整を進めているのだから、金融政策引き締めを継続するのが適切」と言う交通銀行のシニアエコノミスト、TangJianwei氏のように、緩和自体を疑問視する意見もある。

経済成長が一段と減速し、資本が流出すれば、人民銀行(中央銀行)は預金準備率を引き下げる可能性があるとみられている。ただ、金利引き下げにまで踏み込む可能性は低いとされる。利下げは、シャドーバンキング(影の銀行)の急成長を抑える取り組みを削ぐことになるからだ。

政府がどの程度の減速を容認するかもポイントになる。一部政府エコノミストは、今年は7.3─7.4%の成長を容認し、来年の成長目標を7%に下げる可能性があるとみている。

政府が景気押し上げに躍起にならない理由もいくつかある。まず、雇用の大半を担うサービス分野が良好なこと。さらに減速の一因が、政府の過剰設備問題やシャドーバンキング問題への取り組みであること。そして高齢化だ。労働人口が減り、過去10年に比べ雇用を創出するため高い成長を追求する必要性は薄れている。

4月16日に発表される第1・四半期の国内総生産(GDP)をエコノミストはプラス7.3%と予想している。2013年のプラス7.7%をかなり下回り、5年ぶりの低成長。雇用の安定を確保するための最低ラインに近い。景気支援策が発表されているにもかかわらず、エコノミストは、第2・四半期に一段の減速を見込んでいる。

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