東大生が「本を深く読めて、かつ忘れない」ワケ 「3パターンの質問」で読書は10倍効率化する

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例えばこの記事に対して、みなさんはもしかしたら違和感を覚えているかもしれません。この記事のタイトルは「東大生が『本を深く読めて、かつ忘れない』ワケ」ですが、途中で「人の話を聞く」とか「記事を読む」とか、「本を読む」以外の内容に触れていますよね。

「読書術」はさまざまな場面で応用可能だ

それは僕が、「読書」という言葉を「本を読む」以外に、記事などの軽い文章や会話での文脈、人の話や授業など、さまざまなものを「読む」ことに応用できるものと捉えてお話ししているからです。こういうふうに、日常生活でよく使う簡単な言葉でも、人によって定義が違うことがあるのです。

それもあって、最初に「言葉の定義」をはっきりさせている本も多いです。例えば哲学の本なら「そもそも哲学とは何か?」という問いから出発する。東大の授業も、「そもそもこの学問はどういう学問なのか?」から説明してくれます。

僕たちはそうした「定義」から理解しなければなりませんし、もし違和感を覚えたら「この人が使っている言葉って、ひょっとすると自分が考えているものとは違うかもしれない」という意識を持ってみる必要があるのです。

ちなみに、東大には推薦入試があります。推薦入試では、受験生は東大教授にプレゼンテーションを行ったり、東大教授と面談をしたりするのですが、教授が質問するのは「言葉の定義」が多いそうです。

「この言葉は、どういう定義で使いましたか?」「この言葉は、一般的に使われている定義とは違う解釈で使っていると感じたのですが、あなたはどういう解釈をしているのですか?」と問われたと語る東大生は、2人や3人ではありません。「言葉の定義」に対して質問を考えてみる。これは非常に大切な姿勢だと感じます。

いくら質問攻めにしても、本は嫌な顔をすることはありません(出所:『マンガでわかる東大読書』)

いかがでしょうか? 何にも質問を考えず、ただ漠然と「読む」だけでは、何も得られないことが多いです。大切なのは、きちんと質問を考え、それを本や人にぶつけながら読むことです。みなさんぜひ、質問を大切にしてみてください!

西岡 壱誠 現役東大生・ドラゴン桜2編集担当

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にしおか いっせい / Issei Nishioka

1996年生まれ。偏差値35から東大を目指すも、現役・一浪と、2年連続で不合格。崖っぷちの状況で開発した「独学術」で偏差値70、東大模試で全国4位になり、東大合格を果たす。

そのノウハウを全国の学生や学校の教師たちに伝えるため、2020年に株式会社カルペ・ディエムを設立。全国の高校で高校生に思考法・勉強法を教えているほか、教師には指導法のコンサルティングを行っている。また、YouTubeチャンネル「スマホ学園」を運営、約1万人の登録者に勉強の楽しさを伝えている。

著書『東大読書』『東大作文』『東大思考』『東大独学』(いずれも東洋経済新報社)はシリーズ累計40万部のベストセラーになった。

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