大問題の普天間基地移設、経緯をあらためて復習する

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 前記のとおり、99年以降止まっている代替施設建設を進めるため、移設計画見直しもこの交渉の中で扱われることとなった。同年10月に、キャンプ・シュワブの沿岸部(辺野古と同様に名護市域)を一部埋め立てて長さ1600メートルの滑走路を有する代替施設を2014年までに建設することで日米は合意した。

しかし、地元自治体や周辺住民はヘリが集落上空を飛行することに懸念を示すなど、自治体との交渉は再び紛糾した。そこで日本政府は06年4月に、日米合意案を微修正し、集落上空の飛行を回避するため離陸用と着陸用の滑走路2 本をV 字型に配置する案を自治体に提示し、沖縄県知事や名護市長もこの案を基本的に容認することで政府と合意した。

同06年5月には、「再編実施のための日米のロードマップ」が公表され、日米の防衛協力強化と在日米軍再編構想につき、計画の詳細が定められた。

次回は、ロードマップ公表後も続く普天間問題の混迷、そして政権交代による状況変化について見ていきたい。


出典:外務省資料

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