「中小企業」の定義を知っていますか? 知らない会社=中小企業ではない!実態把握を

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ということで、中小企業から目をそらすことは絶対に避けなければいけませんが、「中小企業なら絶対に入れます」というつもりもありません。従業員数でみると、わずか0.3%、1.2万社の大企業に勤める人が、従業者数全体の34%にのぼっていることは押さえておいたほうがよいでしょう。

中小企業は従業員数が少ないわけですから、採用の絶対数も少ないのです。『就職四季報』掲載の中小企業は少ないので、サンプルとして適切ではないかも知れませんが、中小企業の志願倍率がことさらに低いというわけでもありません。

待遇は大企業に劣ることは覚悟しよう

さらに、別の統計で企業規模別の賃金を比較すると、男性で、大企業(従業員数1000人以上)の賃金を100として、中企業(同100~999人)で男性82・女性89、さらに従業員数99人未満の小企業では男性75・女性82となっています(厚生労働省「平成25年賃金構造基本統計調査」)。

大企業に比べ、中小企業のお給料はざっくり2~3割減、ボーナスなどを入れるとさらに格差は広がるというのが実態です。

もちろんこれらは平均値です。中小企業は、特にオーナー系(創業者同族系)などで経営陣の意向がダイレクトに反映されることも多く、会社によって待遇は大きく違います。「中小なら入りやすい」、「中小ならやりがいのある仕事ができる」と一方的に思い込んで、企業調べを怠ることだけはやめましょう。

未上場企業と中小企業はイコールではありませんが、大企業の多い上場企業に比べ、未上場企業は情報開示義務がなく、情報をとりにくくなっています。中小企業を狙う人は、『会社四季報 未上場会社版』などの客観的な情報誌もぜひ参考にしてください。

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