10代少女襲う「ストーカーアプリ」ヤバい実態 バッテリー消費早い・スマホ遅い人は要注意

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また別の女子高生は、TwitterやInstagramなどの複数のSNSを駆使して、好きな人の情報を集めたという。

「サッカー好きとか肉好きとかの情報をチェックして、自分も同じものを好きとアピールしたことがある。親しい女の子とか元カノの情報を集めて、どういうタイプが好きか調べたこともある」

今はSNSなどで自分の個人情報を明かすのが一般的になってきた。複数のSNSを照らし合わせればかなりの個人情報をつかむことができる。欲求を容易に満たす方法が目の前にあり、簡単に実行できるとしたらどうだろう。若者たちがオンラインストーカーにあまり抵抗がないのは、ある意味当然と言えるのではないか。

ストーカーアプリ被害を防ぐ方法

ストーカーアプリの被害を防ぐためには、いくつかの方法がある。まず、定期的に不審なアプリがインストールされていないか確認することだ。そのほか「バッテリーの消費が早い」「スマホの動作が遅い」「スマホ電源を落とせない」などの兆候も要注意だ。

しかし、それだけでは、スマホ自体の不具合と考えてなかなか気づかない人も多いはず。実は、ストーカーアプリはセキュリティーソフトでは検出されないことが多い。

というのもストーカーアプリは一部の国では合法であり、多くの国ではグレーとされているからだ。そもそも合法に配信されているソフトウェアをセキュリティー製品が「悪意あるソフトウェア」と判定すれば、違法になりかねない。

もしアプリを削除できたとしても、問題が起きる可能性がある。ストーカーアプリを仕込んだ側からは、スマホから削除するとすぐにわかってしまうため、削除をきっかけに暴力行為などにつながるケースも少なくないという。どうしても削除したい場合は警察や信頼できる大人、友人に相談することも考えたほうがいい。

ストーカーアプリは、他人に勝手にインストールされるか、あるいはウェブサイトへの誘導などでインストールされることが多い。このような被害を防ぐためには、一定時間スマホに触れないでいるとロックがかかる機能、スクリーンロックをかけておくといい。同時に、不審なURLなどは安易にタップしないことを推奨する。

高橋 暁子 成蹊大学客員教授/ITジャーナリスト

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たかはし あきこ / Akiko Takahashi

書籍、雑誌、Webメディアなどの記事の執筆、企業などのコンサルタント、講演、セミナーなどを手がける。 SNSなどのウェブサービスや、情報リテラシー教育などについて詳しい。元小学校教員。『ソーシャルメディア中毒』(幻冬舎)など著作多数。『あさイチ』 『クローズアップ現代+』などメディア出演多数。公式サイトはこちら
 

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