《中国・アジア市場攻略》パナソニックの本気示すドブ板調査、3・5億世帯を狙い農村向け専用製品開発へ

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 また、洗濯機を保有しているユーザーの86・2%が下着を手洗いしているという調査結果から、公共の場で汚れが付いた上着と、直接肌に触れる下着を一緒に洗いたくないという意識があると分析。上海交通大学と共同で除菌機能を付与した洗濯機を開発、大ヒットさせた実績もある。

これらは富裕層向け製品群の中でも高付加価値な製品だ。が、潜在的な消費者ニーズをつかむ重要性は低所得層向けでも変わらない。もちろん低価格は必須条件。機能の切り捨てといった割り切りも必要になる。 中国生活研の王仁課長は「ローカルメーカーも中国の消費者のニーズを満たした製品を出していない。それができればきっと成功する」と自信を示す。

製品企画が固まり実際の製品化に動き出すと、板や粉といった原料までさかのぼるパナソニック独自の「イタコナ」によるコスト低減を徹底することは言うまでもない。

中国の消費者の典型的な購買パターンは、まずブランドを決め、その中から購買する製品を選んでいく。ブランドが認知されていなければ選択肢に入らないし、農村部に取扱店がなければ買ってもらえない。今まで富裕層向けに展開してきたため、中間所得層や低所得層向けの販売チャネル開拓やブランド戦略はこれからだが、本気で取り組んでいく。

中国・生活研が企画・開発した中間層向けの製品は、2010年にも市場投入される見通し。農村向け製品はもう少し先になりそうだ。

(週刊東洋経済)

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