ニューヨーク市民「行動制限された」生活の現実 現地在住者が見た都市封鎖における人々の行動

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◼TAKEOUT OR DELIVERY

食料の買い出しは許されているが、混雑を避けるため、「1世帯から1人のみ」を推奨している。日本で言うところのスーパーに当たるグローサリーストアの品揃えに問題はなく、目立つパニック買いもないが、無駄な外出を避けるため食料品のデリバリーサービスを頼む人も多く、デリバリー業者は大忙しだ。

コーヒーチェーンのスターバックスは、一部の店舗のみ営業し、テイクアウトで対応をしている。レストランやバーのほとんどが閉店しているが、「We are open for Takeout or Delivery」の看板を掲げて奮闘している店もある。今までデリバリー対応はしていなかった有名レストランが、安価なメニューを提供しているケースもあり、毎日の食事が数少ない楽しみになっている人にはありがたい。フードデリバリーサービスのUber Eatsは、今後、高齢の顧客に配慮し、アプリでの注文に加え、電話注文もできるようにするという。

混雑するスーパーで店員が感染する例も

◼SOCIAL DISTANCING

今や世界的に有名になった言葉「ソーシャル・デイスタンシング」。ニューヨークでは、他人との距離を6フィート(約2メートル)確保することを義務づけられている。一歩家を出ると、常にソーシャル・ディスタンシングを意識せざるをえない。狭い道で人とすれ違う時は、どちらかが端に寄って相手に譲る。グローサリーストアでは、1度に入店できる人数を制限。混み合う時間は、2メートルの間隔を空けて店の前に並ぶ。店員は、店内で人が密集している場所を見つけると、「6フィート!プリーズ!」と注意喚起する。

実はニューヨークでは、グローサリーストアの店員が感染してしまうケースがいくつか報告されている。ニューヨークに多数の店舗を持つオーガニックスーパーのトレーダー・ジョーズでは、レジ打ちの間も、店員との距離を開けて待つよう促された。ニューヨーク市のデブラシオ市長はツイッターで、「多数の人間が集まっていたり非常に混み合っているスーパーマーケットなどを見つけたりした場合、直ちに報告してもらいたい」と呼びかけている。

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