「4代目フィット」公道で乗ってわかった実力 「見た目」や「走り」はどのように進化したのか

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e:HEVのエンジン直結走行モードを除き、ともにシリーズハイブリッド方式なのでタイヤはモーター(両車共にカタログ上のモーター出力109PS)が駆動する。

ただ、発電用エンジンには違いがあって、フィットが直列4気筒1.5l(98PS/127N・m/ボア・スト比1.22)であるのに対してノートは直列3気筒1.2l(79PS/103N・m/ボア・スト比1.07)とアウトプット能力が低い。

7割が「e:HEV」を選択

この違いは発電量などの目安になるだけでなく、走行時のエンジン始動回転数も左右する。市街地走行中にエンジンが始動する頻度はフィットが多いが、その際のエンジン回転数や振動はノートが高く、そして多い。

4代目フィットの後ろ姿(筆者撮影)

つまり、エンジンの存在を意識するタイミングはノートが多い。これは3気筒エンジン特有の振動が目立つ(透過音は大きくない)こと、さらに常用発電時のエンジン回転数が高めであるためだ。

対するフィットはバッテリー容量や常用SOC領域などが要因となりエンジン始動頻度こそ多いが、前述の通りエンジン出力などにゆとりがあるため低い回転数での発電が行なえ4気筒だから低振動、さらにボディの遮音性を高めているから結果的にキャビンは静かに保たれる。

もっとも、これは車両(バッテリー)の状態、外気温、車両への走行負荷などによって大きく異なるものの、同一条件下であれば両車の違いは概ねこうした走行特性として感じられるはずだ。

高速道路の本線合流時などでのアクセルペダル全開加速時は、両車ともにエンジン回転数は高まるため音や振動など体感値は同じく高まるが、フィットは有段ギヤのようなエンジン回転が速度上昇に応じて上下する「ステップ制御」が入る。

ホンダ広報部によると、2月13日に発表したフィットの累計受注台数は3月16日時点で月間販売計画の3倍以上の3万1000台を超えた。そのうち、72%(2万2320台以上)がe:HEVを選んでいる。

西村 直人 交通コメンテーター

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にしむら なおと / Naoto Nishimura

1972年1月東京都生まれ。WRカーやF1、さらには2輪界のF1と言われるMotoGPマシンでのサーキット走行をこなしつつ、4&2輪の草レースにも精力的に参戦中。また、大型トラックやバス、トレーラーの公道試乗も積極的に行うほか、ハイブリッド路線バスやハイブリッド電車など、物流や環境に関する取材を多数担当。日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)理事。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。(財)全日本交通安全協会 東京二輪車安全運転推進委員会 指導員。(協)日本イラストレーション協会(JILLA)監事。★Facebook「交通コメンテーター西村直人の日々

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