アマゾンが「お茶の間」制覇に乗り出した Fire TV発売で、リビングルームへ本格進出

拡大
縮小

このあたりまでは、競合するRoku 3やApple TVと、価格面、できることなどは大差ない。Fire TVはクアッドコアのプロセッサと2GBのメモリ搭載しており、後発の分、競合製品よりも高いスペックを誇っている。

ハードとしての高いスペックもFire TVの強みだ

リモコンはBluetoothに対応しており、赤外線受光部を狙ってテレビに向けなくてもよい。そればかりか、音声入力に対応し、映画などのコンテンツを声で検索することができる。十字キーを駆使して文字入力をしたり、キーボードで入力するよりもずっとスマートだ。

また、無線のゲームコントローラーも39.99ドルで発売され、最大4つまでコントローラーを接続してゲームを楽しむことができる。ゲームは、ディズニーやEAなどのブランドのタイトルや、アップルのiPhone・iPad向けApp Storeのように、無料もしくは非常に安価なタイトルを、ダウンロードして楽しむことができる。

3つの問題解決

Fire TVをリリースしたアマゾンは、このデバイスにどんなゴールを持っているのか。3点を紹介したい。

一つ目は、複雑さを解消することだ。

アマゾンのプレスイベントの壇上に立ったKindle担当副社長ピーター・ラーセン氏は、リビングルームを模した会場で、ストリーミングデバイスで43%とトップシェアとなっているApple TVを例に挙げ、「Apple TVでAmazon Instant Video」が見られない点を指摘した。RokuではiTunes Storeで購入したコンテンツが見られないし、シングルコアのChromecastは貧弱なパフォーマンスだ。

つまり、現在、市場に最適なデバイスがまだ存在していないことを意味している。これは、iPadを前に攻め切れてなかったアンドロイドなど他社製のタブレットをよそに、Kindle Fireが大きなシェアを獲得したことに似ている。

次ページアマゾンサイトからの売り上げも拡大
関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT