専業主婦は、とっても危険な選択肢 3組に1組が離婚する時代をどう生きるか?

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別れたら次の人

この離婚打率の例えからは、いくつかの教訓を得ることができます。

その1。3割5分などという好打者は、抑えたときに喜べばよいのであって、イチローにヒット1本打たれたくらいで人生に絶望していては、ピッチャーは生きていけません。

むかし「別れても好きな人」なんて歌があったのですが、そんな後ろ向きな姿勢では、今の時代は乗り越えられません。「別れたら次の人」というくらいの構えでいきましょう。いちいちショックを受けていては、やってられないのです。

その2。ピッチャーはバッターを抑えようと思ってマウンドに上がります。いつの世も、離婚しようと思って結婚する人はいません。それでも結果として、離婚には3割以上打たれるわけです。

むかし「永久就職」なんて言葉がありました。ナンセンスです3分の1の確率で倒産することがわかっている会社に就職して、喜ぶ人はあんまりいないのではないでしょうか? これは普通、夕刊紙なんかで「経営が危ない!」なんて風評が立つような状態です。女性週刊誌に出てくる「○○と××、離婚の危機か?!」と同じように。

この「永久就職」という感覚には、実はそれなりに根拠があって、1970年代くらいまで、離婚打率はほぼ1割程度だったのです。つまり今、結婚しようとしている人の親御さんの世代では、離婚打率は今ほど高いわけではなく、私の産まれた1963年は戦後の最低値で7.5%。2割台に突入するのも、1982年と遅いのです。ですから、親は勝手に「娘が片付いてよかった」と思っていても、現実には、その3分の1に、もう一度「リセット」が来てしまうのです。

専業主婦は、とっても危険な選択肢

親はともかく、問題はご当人のほうです。就職活動でも、東大の女子学生に聞くと「他大の女子学生は、就活でも『早く結婚して専業主婦になりたい』なんて言っている」のだそうで、こちらは少し心配です。

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