デフレ宣言でまたも勃発! 苦肉の牛丼値下げ合戦

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デフレ宣言でまたも勃発! 苦肉の牛丼値下げ合戦

牛丼業界で再び値下げ競争が始まった。業界3位の松屋フーズは3日から牛丼(商品名は「牛めし」)の並盛り価格を380円から320円へ60円値下げ。これを追うように「すき家」を展開する最大手のゼンショーも7日から並盛り価格を330円から280円に改めた。

牛丼各社は2001年の「デフレ宣言」前後にも牛丼価格を300円程度にまで値下げしていたが、04年のBSE(牛海綿状脳症)問題による販売休止以降は「通常価格」に戻していた。

■松屋フーズの業績予想、会社概要はこちら

今回もデフレ宣言を受けての値下げとなるが、両社が値下げに踏み切った最大の理由は既存店の苦戦にある。消費不況を背景に松屋の既存店売上高は4月以降、7カ月累計で前年同期間比95・6%。すき家も同93・9%と、両社とも前期割れの厳しい状況が続いている。これまでサイドメニューを充実させるなどして客単価向上を図ってきたが、効果はいま一つ。

そこで今回は客単価減少を覚悟のうえで、主力品である牛丼の値下げを断行。客単価減を上回る集客アップを図ることで、既存店売り上げを伸ばすという策に転じた。

もっとも、同じデフレ下でも前回と今回では外食業界を囲む環境は大きく異なる。

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