タワマン、物件次第で1千万円節税する法 来年の相続税大増税に備える

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自分の気に入った土地に、気に入った家を買い一生住むつもりなら、どこでどんな物件をいくらで買っても、納得するかもしれない。だが、節税を狙って買うなら、そうはいかない。

いざ買ってせっかく評価減を受けても、相続が終わって現金化しようと売却した際、売値が買値より安かったら意味がない。例えば5千万円の物件を買ったのに1千万円でしか売れないこともありうる。できるだけ同じような価格で売買したいもの。

築5年前後が低リスク

物件を選ぶ際に重要なのは、「値下がりリスクの低い物件」の視点を持つことだ。まずは新築か中古、どちらがいいか。沖氏は今の経済状況なら、中古だという。

「資産インフレしている際は新築価格が中古価格よりも早く上昇します。中古なら適正価格が周辺の物件などからわかります。築5年ぐらいまでで相場よりも割安な物件を丹念に探すことです」(沖氏)

エリアは、都心近郊の駅に近い場所に絞ろう。千代田区、中央区、港区、新宿区、文京区、台東区、江東区、品川区、目黒区、渋谷区の「都心10区」と「環七と荒川の内側」が目安だ。

「値下がりのリスクが少ないのは、買い物難民、帰宅難民など『難民』というキーワードから、疎遠の場所です。隣駅が近く、数本の沿線が通っているような通勤や通学に便利な場所は、どんな状況でも人口が保たれる確率が高い。となると、商業施設が維持される可能性も高く、値下がりのリスクも抑えられます」(沖氏)

一方、湾岸エリアの物件はオリンピック開催で注目を集めているが、沖氏は過剰供給を懸念している。

「資産価値が上がるには、鉄道の整備が必須ですが、計画は多いものの実現性は不透明です。また、湾岸エリアのタワマン供給予定は既に1万戸を超えています。林立すると眺望が悪くなり、値が下がる要因になります」(沖氏)

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