スズキとVW包括提携、鈴木修会長「フォルクスワーゲンとはイコールパートナー」両社首脳会見内容

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鈴木会長 「経営参加という話だが、私は常に思っているのは、違った会社がお互いに提携するということは、経営をオープンにすると。日本語で言うと、経営をガラス張りにすることが、2つの会社が一緒にやるときにいちばん重要なことだ。隠し事をやっちゃいけない。そういう点では、改めてどうこうするというより、事務所を作って、日常の中で……例えば、私たちは業況報告会を月に1度やる。そういうところに(VWの)駐在の人が来て、聞いてくだされば、経営はガラス張りにできる。日にちを決めてなになに、という形式的なものではなく、日常の仕事の中で話し合うのが重要だ。株式をどれだけ持ったから経営がどうだという法律論でなしに、両社が常に経営をオープンにしてみなさんに理解していただくのが一番重要だ。そういう点で、今の株式の持ち合いで十分だ。問題はトップ、スタッフ、作業をやる人たちの信頼関係だ。

プライオリティは技術、環境部門、ハイブリッド、電気自動車、ガソリンエンジンの改善、ディストリビューター、アジアはどうする、南米、アフリカどうするか・・・グローバルにどこでも協力し合っていくということですから、双方が気がついたことから始めていくということでいい」

VW会長 「私どもの考え方も同じだ。非常にたくさんの可能性があると思っている。こうした協力には一定の経験があるが、信頼がもっとも重要だと私たちからも繰り返したい」

--スズキはインドに強く、ヒュンダイやVWとも競合関係にある。ここ(の市場)でスズキ側のメリットとして、どう相乗効果を出すのか。また、今回19.9%だが、10%ではなく、かつ20%には行かない、この数字の重み、考え方は

鈴木会長 「自動車はご承知の通り、大量生産し、大量販売が一番、メリットが出ることだ。その中で、部品の共通化、これが非常に重要だ。最近は、各メーカーとも自分のところのクルマについては比較的、部品の共通化を進めてきた。が、自分のところだけではなしに、他社のクルマの部品も共有化することでベンダーさんが大量に部品を加工、生産できるメリットがある。

インドで私どもがシェアをとっているから競争相手になるんではないか、というお話ではないかと思うが、競争はしないと、仕事ちゅうのは良くならない。半面で競争し、半面で協調する。だから、部品の共通化するのは協調してやるが、ビジネスとしての競争はやっていく。競争のないマーケットはないわけだから、世界中で大いに協調と競争をしていきたい」

VW会長 「私たちは10のブランドをもっている。それぞれがヘッドクオーターを持ち、戦略オフィスを持ち、マーケティングチームを持っている。インドにおいてもスズキ、VW、シュコダブランドがあるが、こういったブランドの間で効果を出していくつもりだ。技術的なシナジーはもう少し具体的に考える必要があるが、1つのブランドはそれぞれのものであると思っている」

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