スズキとVW包括提携、鈴木修会長「フォルクスワーゲンとはイコールパートナー」両社首脳会見内容

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自動車産業界は今、根本的な大きな転機にある。この業界には新しい秩序が生まれつつある。企業のアライアンスや提携がいろいろ話題になっている。開発、購買、生産、販売においての相乗効果が出るということは競争上不可欠な条件になっている。世界経済危機が今この変化を加速化させている。

企業の中でやるべきことをしないところは、その不足が白日の下にさらされている。経済環境の良い時期にも堅実な経営をしてきた企業こそ、こうした状況からメリットを得ることができる。両社はともに極めて危機の中で安定的な成功を収めてきた。両社ともに堅実な財政基盤を持っており、両社の製品は危機の時代だからこそ市場に受け入れられている。今回のパートナーシップは、両社がたがいに補いあえる、ということから決まった。両社の各市場におけるプレゼンス、また両社のもてるラインナップについて、このことが言える。

VWは自動車産業界においてはマルチブランドを持ち、魅力的な強いブランドと最先端の技術を持っている。非常に幅広いラインナップも持っている。欧州、南アメリカ、中国においてはマーケットリーダーだ。スズキは世界において小型車・軽自動車の分野でリードする立場にあり、2輪車も生産している。また特に日本、東南アジアにおいては非常に強い力を示している。マルチスズキによってインドではナンバーワンである。私どもはコストメリットにおける相乗効果を利用したいと思っている。成長のチャンスを掴んでいきたい。VWはアジアに置いて大きく前進する。スズキは私どもの環境に優しい駆動技術などのメリットを得られる。

 持続可能なモビリティーは、これからの最も重要なテーマであり私どものパートナーシップにおいてもそれが重要課題になる。これまでの内燃機エンジンの効率化、またそれ以外のハイブリッド、電気自動車などの新しい技術についても力を注ぎたい。

スズキは大変優れた自動車メーカーだ。100年を超えるその歴史によって日本の工業の極めて重要な一角を占める。また自動車製造においてスズキはパイオニアであり、早い時点から、そのエンジニア技術を世界に輸出してきた。私どもはスズキの社員の持っている優れたノウハウに経緯を払っている。技術への情熱、完璧さを目指すこと、また自動車への愛情、これはスズキとVWに共通するものである。将来に豊かな成功をもたらすパートナーシップの土台であると思っている。

【以下、質疑応答】

--スズキはVWだけではなくいろいろなメーカーと再編の噂、観測があったが、数あるなかからVWを選んだ理由、他ではならなかった理由は何か

鈴木会長 「他のメーカーからの話は全然ない。他のメーカーからの提案はなかった。たまたまVWから、どうだ、という話をもらったのがスタートだ」

--出資比率の意味について改めて説明を

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