東野幸治「40代は年下の話を聞いたほうがいい」 タモリさんから教わった「人生で超大切な事」

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極論を言えば、「自己主張なんていらない」、そう含み笑いを浮かべる。

「そもそもの話で、自分の自己主張が、合ってるのか合ってないのかという問題もありますよね。でも、自己主張はどこかで必要だから、僕はちょっとだけポケットから顔を覗かせている状況。 凡人は文句なんか言ったらあかん(笑)。

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すごいお金がかかっている番組で、お笑いレジェンドスターが『こんな客とやってられへん』って言える姿を見て、僕は『そんなふうな人間に、結果なれへんかったな』って思うんです。いろんな人がいるときに文句って、天才しか言ったらあかんねんなって」

「割り切ることにストレスはないのか?」と聞くと、間髪入れずに「ないです。ないから、いい落としどころを見つけたな、みたいな感じです」と答える。まるで高僧と話しているかのような感覚に陥る。『この素晴らしき世界』における各芸人に対する超が付くほどの客観視が、妙に腑に落ちる。

「よく、『今なんの番組が楽しいですか?』って聞かれるんですけど、困るんですよね。全部楽しい。勝手に自分で役割を見つけて楽しんでるし。全然楽しくなくて、全然おもろないなと思っても、『こんな楽しくない感じもあんねんな』って楽しめる」

タモリさんから貰ったアドバイス

とりわけ40歳になってから、そう思えるようになったという。「40歳になったら年下の意見を聞いたほうがいい。40歳から上の人は聞く必要ない」。最後にそう付言する。

「『いいとも』をやっているときに、タモリさんから言われたんです。なるほどなって。40歳を過ぎてくるとだんだん衰えてくる。僕らはテクニックでごまかしたりするけど、若い人には勝てないなって、どっかで諦めないとけないし。上の人に聞くのもいいんですけど、だいたい自分が思っている感じのことを言うんで(笑)。若い人はすっとんきょうな答えを返してくるけど刺激もある。だったら、年下の意見を聞いたほうがいいなと」

我妻 弘崇 フリーライター

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あづま ひろたか / Hirotaka Aduma

1980年北海道帯広市生まれ。東京都目黒区で育つ。日本大学文理学部国文学科在学中に、東京NSC5期生として芸人活動を開始する。2年間の芸人活動ののち大学を中退し、いくつかの編集プロダクションを経てフリーライターとなる。現在は、雑誌・WEB媒体等で幅広い執筆活動を展開している。著書に『お金のミライは僕たちが決める』『週末バックパッカー ビジネス力を鍛える弾丸海外旅行のすすめ』(ともに星海社)など。

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