BMW、高級小型車で日本市場を攻める 「MINI」「2シリーズ」の新モデル投入

拡大
縮小

BMWは「MINI」ブランドだけでなく、「BMW」ブランドでもプレミアム・コンパクトカーを発売する。それは、3月初旬のジュネーブモーターショーで公開された新型車「2シリーズ・アクティブ・ツアラー」だ。日本では秋以降の発売となる。

アクティブ・ツアラーは、セダンやSUVが中心だったBMWにはなかった小型多目的車(MPV)。車高が高く、座席のレイアウトも変えやすい。荷物を多く積む若いファミリー層を中心に顧客獲得を狙う。

MINIのプラットフォームを活用

実は、アクティブ・ツアラーは「新型MINIのプラットフォームやエンジンを活用した」(ドイツ本社のイアン・ロバートソン販売担当取締役)。これはBMWが1994年にMINIを傘下に収めて以降、初めての試みだ。

画像を拡大
ジュネーブモーターショーで公開された「2シリーズ・アクティブ・ツアラー」

アクティブ・ツアラーはMINI同様の前輪駆動の構造や3気筒エンジンを搭載した。燃費は1リットル当たり20キロメートルを超え、「BMW」ブランドとしては、最高水準を達成。価格は最廉価モデルで300万円台になる見通しだ。

「これまでと違うセグメントに攻め込む」とハリス氏が語るように、MINIが培った小型車技術でよりボリュームの大きい市場に照準を合わせた。

ただし、プレミアム・コンパクトに力をいれているのは、ほかの海外自動車メーカーも同じ。競合する独メルセデス・ベンツの「Aクラス」や「Bクラス」、独アウディの「A1」などの販売台数も伸ばしている。4月の消費増税という逆風も待ち受ける中、右肩上がりの成長を続けることができるだろうか。

中川 雅博 東洋経済 記者

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

なかがわ まさひろ / Masahiro Nakagawa

神奈川県生まれ。東京外国語大学外国語学部英語専攻卒。在学中にアメリカ・カリフォルニア大学サンディエゴ校に留学。2012年、東洋経済新報社入社。担当領域はIT・ネット、広告、スタートアップ。グーグルやアマゾン、マイクロソフトなど海外企業も取材。これまでの担当業界は航空、自動車、ロボット、工作機械など。長めの休暇が取れるたびに、友人が住む海外の国を旅するのが趣味。宇多田ヒカルの音楽をこよなく愛する。

この著者の記事一覧はこちら
関連記事
トピックボードAD
自動車最前線の人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
猛追のペイペイ、楽天経済圏に迫る「首位陥落」の現実味
猛追のペイペイ、楽天経済圏に迫る「首位陥落」の現実味
ホンダディーラー「2000店維持」が簡単でない事情
ホンダディーラー「2000店維持」が簡単でない事情
【浪人で人生変わった】30歳から東大受験・浪人で逆転合格!その壮絶半生から得た学び
【浪人で人生変わった】30歳から東大受験・浪人で逆転合格!その壮絶半生から得た学び
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT