電子書籍端末は不要、iPhoneで十分だ アップルのフィル・シラー上級副社長に聞く

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--アイフォーンには、多くのアプリケーションソフトがありますが、マイクロソフトのスティーブ・バルマーCEOは「たくさんのアプリをダウンロードしなければならないアイフォーンは、インターネットには適していない失敗作」と酷評している。

そういう方が何を言おうと、気にもなりませんね。ユーザーがどう感じているかがすべてだ。ダウンロードが20億件を突破している、というデータを見てほしい。

アプリの種類はたくさんある。とはいえ、最もよく使われているアプリは、「フェイスブック」や「ツィッター」だ。これこそがクラウドコンピューティングを代表する使い方でしょう。

--アップルはiPodによって音楽の楽しみ方を変えた。書籍や雑誌の楽しみ方を変えるソリューションを検討していますか。

すでにソリューションは提供しています。アプリの中で最も大きなカテゴリーの一つが書籍。すでに、たくさんの方がアイフォーンやiPodで新聞や書籍を読んでいる。

--電子ペーパーを用いた、アマゾン「キンドル」のような端末を発売する予定は?

アイフォーン、iPodを通じて本を楽しむユーザーは、どんどん増えていく状況にある。そのような専用端末のニーズがあるようには思えません。

Philip Schiller
ワールドワイド・プロダクトマーケティング担当シニア・バイスプレジデント。製品マーケティングのほか、デベロッパー・リレーションズ(開発者との関係)を担当。1982年、ボストンカレッジ卒業。マクロメディア、ノートンなどを経て、97年にアップル入社。

山田 俊浩 東洋経済 記者

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やまだ としひろ / Toshihiro Yamada

早稲田大学政治経済学部政治学科卒。東洋経済新報社に入り1995年から記者。竹中プログラムに揺れる金融業界を担当したこともあるが、ほとんどの期間を『週刊東洋経済』の編集者、IT・ネットまわりの現場記者として過ごしてきた。2013年10月からニュース編集長。2014年7月から2018年11月まで東洋経済オンライン編集長。2019年1月から2020年9月まで週刊東洋経済編集長。2020年10月から会社四季報センター長。2000年に唯一の著書『孫正義の将来』(東洋経済新報社)を書いたことがある。早く次の作品を書きたい、と構想を練るもののまだ書けないまま。趣味はオーボエ(都民交響楽団所属)。

 

 

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