ロサンゼルス「コロナで外出禁止」の異常事態 何もしなければ「2550万人が感染」の可能性も

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デリバリーはアルコール飲料を含めないのが普通だが、先ほど筆者はあるレストランから「ワイン、ビールもメニュー価格の50%オフでデリバリーします」という宣伝メールを受け取っている。この禁止令は最低でも4月19日まで続き、延長の可能性もあるのだから、売れる在庫は早いうちに売ってしまいたいのだろう。

スーパーマーケットは、人数を制限しつつ入店させているため、店の前には行列ができており、人は前後との間隔を意識しながら並んでいる。薬局でも、処方薬を引き取るカウンターの前に横長のテーブルを置くことで、客が近づきすぎないようにしている。

パニック買いはひと段落しているものの(パニック買いがいちばんひどかったのはトム・ハンクスの感染がわかった日の翌日)、手の消毒剤は相変わらず売り切れで、この店でも「火曜日に入荷予定」とのことだった。マスクは、もちろんない。

医療現場で続く「マスク不足」

だが、普通の人はそもそもマスクをそれほど求めてもいない。アメリカ人にマスクをする習慣がないのもあるが、医療の最先端現場におけるマスク不足がニュースで伝えられていることから、自分なんかでなくその人たちに使ってもらうべきだという意識もあるように思う。

マスク不足は、無症状の人にコロナ検査を受けないよう説得するうえでもしばしば持ち出されている。

数日前、ついにL.A.郊外にもドライブスルーの検査所がオープンしたのだが、来なくていい人は来ないで、というのがメッセージだ。感染の可能性が低い人が押し寄せると、それだけマスクやガウンが消費されてしまうからである。また、その段階で陰性と出ても、その後に感染して再び検査を受けるとしたら、二度手間になってしまうということも強調されている。

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