松屋が戦線縮小!牛鍋戦争は早くも終息 すき家も3月末で販売終了、吉野家だけが継続

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ところが、3月26日時点では239店舗まで減少。明らかにピークアウトしている。松屋フーズの広報・IR担当者は「鍋やコンロなどの器材を十分にそろえることができなかった。店舗のオペレーションも統一できず、本格導入には至らなかった」と話す。

「好調なら4月以降の導入も続ける可能性はある」としていたすき家も、当初の計画どおり、3月末で鍋メニューの販売を終了する。「気温が上昇してきたこともあり、このタイミングでの終了が適切だと判断した」(ゼンショーの広報担当者)。

ひとり気を吐く吉野家

吉野家の安部社長は「500円台の価格帯を守る」と言い放った(撮影:今井康一)

一方、先駆した吉野家は、4月以降も鍋メニューを継続する。現行の税込み価格580円(本体価格553円)が、消費増税後は590円(同547円)となる。本体価格を値下げして、税込み価格を500円台にとどめた格好だ。

安部修仁社長は3月25日の新牛丼発表会で、「発売したばかりでホットな商品でもあるので、われわれとしてこの価格帯を守っていきたい」と、鍋メニューへの意気込みを示した。

真っ二つに対応が分かれた鍋をめぐる戦い。消費者の飽きは瞬く間にやってくる。夏にかけて鍋メニューに続くヒット商品を生み出せるかが、今後の牛丼戦線のカギを握りそうだ。

又吉 龍吾 東洋経済 記者

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またよし りゅうご / Ryugo Matayoshi

2011年4月に東洋経済新報社入社。これまで小売り(主にコンビニ)、外食、自動車などの業界を担当。現在は統括編集部で企業記事の編集に従事する傍ら、外食業界(主に回転ずし)を担当。趣味はスポーツ観戦(野球、プロレス、ボートレース)と将棋。

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