もう一攫千金は終わり?「上場ゴール」に赤信号 速報!2020年IPO「勝ち組・負け組」ランキング

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本来ならば2020年は、東京五輪・パラリンピックイヤーで健康関連銘柄が人気を集めるはずだった。例年、アスリートたちの活躍を見た後は、スポーツジムへの入会者が増える傾向にあるからだ。

2019年11月には、マンツーマンでトレーニングを行うトゥエンティーフォーセブン(7074)が公開価格3270円でIPOし、最高値6090円まで上昇するなど人気を集めていた。業績下方修正に加え、新型コロナウイルスのショックもあり、足元の株価は600円台まで落ち込むありさまだ。

7社がIPO取り消し、年間公開社数は一転減か

3月18日にIPOを控えていたスポーツジム「エニタイムフィットネス」を展開するFast Fitness Japanは、とうとう3月13日に上場承認取り消しを発表するはめになった。同業他社のIPOを見て判断したことは想像にかたくないが、上場後の業績下振れリスクを鑑みても、上場しなかったのは賢明な判断だったのかもしれない。

ほかにも企業向けソフトウエア開発のウイングアーク1st、創薬バイオベンチャーのペルセウスプロテオミクス、ネットセキュリティーのバリオセキュア、買い物情報サイト「トクバイ」を運営するロコガイド、化粧品・健康食品販売のアルマード、モバイル管理のアイキューブドシステムズをはじめ、計7社が東京証券取引所に自ら申し出て、上場承認取り消しを発表している。いずれも新型コロナウイルスの影響に伴う株式市場混迷が背景にあるのが実態だ。

2019年は86社がIPOしており、2020年も同水準が見込まれていた。すでに4月も11社がIPOを予定しているが、今後はペースダウンする可能性も十分ありそうだ。2014年ごろから活況が続いてきたIPO市場は、コロナショックで大きな転機を迎えている。

前田 佳子 東洋経済 記者

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まえだ よしこ / Yoshiko Maeda

会社四季報センター記者

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